ワタモテレビュー喪117「モテないし2年生の終わり」
7月6日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪117「モテないし2年生の終わり」が公開されました!
ワタモテの更新日、会社の昼休み休憩に入った瞬間最新話を読む度に、
「いやぁ~まさかそう来るとはね!今回も谷川ニコ先生の掌の上で踊らされてしまいましたよぉ……」
という感じのコメントというか感想が口をついて出てしまうのですが、
今回は掌の上でブレイクダンスをさせられた気分でしたね。
↑谷川ニコ先生の掌の上で回転するぼく
いや、本当に凄いんですよ。死傷者が出てないか心配になりましたからね…。
某掲示板にて、田村さんの出番だけを切り抜いた画像を「ゆりちゃん」とコメントしながら連投して姿を消す謎の人物が居るんですが、この人は絶対無事では済んでないと思います。
今回はオムニバス形式です。もはや(嬉しいことに)一緒に並んで歩くのが当たり前になった3人ですが…?
1つ目の短編のタイトルは「密着」。
通学中の満員電車に揺られるもこっちと、もこっちを「例のあの人」呼ばわりしているグループの一人、白ポニテが密着する羽目に。
(名前を付けられていないクラスメートにも役割や友人関係がはっきりと描写されているのがワタモテのいいところですよね。非常に便利で役に立つ私モテwikiによると、智貴がもこっちの弟であると見破れなかった二人組の片割れのようです。)
そして白ポニテは早速、今朝の「例のあの人」と密着したことをネタにします。
隣に例のあの人の話題を出してはいけない人が居ることには気づかないんでしょうか。
「何駅?」
フォントサイズの大きさが声の力強さを物語っています。
大事なことなので二回聞いています。
「なんで駅なんて聞くの?」という周りの視線も気にしていないようです。うっちーはいつも人の目を気にする「キョロ充」だったはずですが、どうしてこんな事になってしまったんでしょう。恋が盲目にさせてしまったのでしょうか。
皆さん覚えていますか?この短編のタイトルは「密着」です。
……以前読んだことのある漫画で、主人公と一緒の車両に居たいという理由だけで、学校のある駅をわざと乗り過ごして、反対車線の車両に乗って主人公と鉢合わせていたヒロインが居たことを思い出しました。
ちなみにそのヒロインは主人公と自分の手を繋いだままボンドで塗り固める系のヤンデレでした。……いや、決してうっちーがそうと言いたいわけではありませんよ?
そして田村さんが麗しい。
なんか、日に日に田村さんの美しさが加速している気がするのは気のせいでしょうか? 流し目が非常にセクシーですね。
上着のポケットの中に手をいれるのは癖なんでしょうか。
目的地である幕張に着いても降りないうっちー。
それを見て、修学旅行で同室だったよしみで話しかけますが……。
……白々しい嘘はこの際置いておいて、うっちーが寝ている時の目はどうなるんでしょうか?
目を回転させたらそれっぽくなりました。多分こんな感じでしょう。(怖い)
そして嘘に嘘を重ねるうっちーでしたが、それを聞いて田村さんは本気で心配します。
ところでこのうっちーの台詞、どことなくカタコト感というか棒読み感がありますね。接続詞や助詞を抜いてうまく表現してるのかな、と思います。うーん、流石ニコ先生…。
そして田村さんは(自称)動けないうっちーに汗を流してまで肩を貸します。
田村さん、なんていい子なんでしょうか。そこまで深い付き合いでもないのに、こんな献身的にしてもらったんですから、うっちーも人の心が残っているなら少しは罪悪感で胸がチクリとするんじゃないでしょうか。
どうやら人の心は残っていないようです。
↑そういえば、人ではなくセミでしたね。
最近のうっちーは本気でキョロ充失格だと思います。
2つ目の短編のタイトルは「あらためて……」。
ぼっちの小宮山さんの数少ない友人、伊藤さんは今は個人練習に励んでいるようです。
「今はコンクールもないしみんなと合わせる必要もないから 何かやってほしいのあったら吹くよ」
うーん、伊藤さんは良い子ですね。小宮山さんと違ってまともそうですし、友人のために一曲なんでも吹こうなんて粋です。
とはいえ、クラシックはあまり詳しくないのでこれと言った曲はないだろうと思う小宮山さんでしたが……
野球応援歌に過剰反応する小宮山さん。日頃球場で歌っている血が騒いだのでしょうか。
(これは完全に余談ですが、狙い撃ちと夏祭りは中日とヤクルトのチャンテなのは知っていたのですが、ロッテにロマサガ応援があることをこのコマで初めて知りました。本当にかっこいいですね!球場で聞いたらテンション上がりそうです。)
声がでかいです。凄い早口になってそう。
そして、伊藤さんの演奏を聞き終わった小宮山さんは「ふぅ」と一息。そして、
「伊藤さんと友達でよかった」と今実感したようです。
小宮山さんの友達が少ない理由がなんとなくわかった気がします。
「こみ」「こと」と愛称で伊藤さんが小宮山さんのことを呼んでいるのに、小宮山さんは「伊藤さん」と呼んでいるのが、何か二人の認識の違いを示しているようでリアルですね……。
多分、自分と何かしらの趣味が合う人じゃないと駄目なタイプなんでしょうね。「ロッテが好き」「オタク」「服が痛い」などの共通点があれば仲良くなれそうです。
3つ目の短編のタイトルは「知らない顔」。移動教室の帰りか行く途中のようですが……。
もこっちは派手に転んでしまいます。本気で痛い転び方ですね……。
もこっちを案じる田村さん、散乱した筆記用具を黙って拾ってあげる真子……そんな様子を尻目に、南さんは転んだもこっちを嘲笑します。
比較的友好な関係である真子がもこっちと一緒に居ることも気にせず、露骨な悪意を隠そうともしないようです。
これでもこっちが繊細な性格ならショックで項垂れそうなものですが、
そこは流石は我らがもこっち、睨みつけながら小声でぼそっと言い返します。
それを見た田村さんは目を丸くして、口をぽかんと開けています。今までこんな表情を見せたことがあったでしょうか? そんな様子から……
笑みがこぼれ出ます。もこっちの罵倒のセンスがツボに深く入ったのか、
顔を真っ赤にして声を震わせる始末。(吹き出しが震えている)隠そうとしても隠しきれていません。
……ちょ、ちょっとニコ先生。田村さんがあまりにも可愛すぎます。読者を殺しに来てませんか?
胸中で他人を罵倒するのはお手の物のもこっちにとっては軽いジャブでしかない罵倒でしたが、一度入ったツボは中々収まらないもので、肩の震えが止まらない田村さん。
そういえば、以前、修学旅行の班決めで真子と田村さんの間で軋轢が生じたことがありましたが、その切欠になったのは南さんが真子を誘ったことでした。
田村さんは南さんにずっともやもやとした感情を抱いていた所を、もこっちがズバンと罵倒してくれてすっきりしたのかもしれません。
うーん、やっぱり田村さんともこっちは相性が良いんでしょうね。(もこゆり)来てます。(Mr.マリック風)
真子は今まで見たことない田村さんの表情を引き出したもこっちに嫉妬するわけでもなく、感心したご様子。正妻の余裕でしょうか。
一方のもこっちはエスパー能力で真子がレズ思いにふけっていることを見破ります。もこっちって変なところでカンが鋭いですよね。
4つ目の短編のタイトルは「一緒」。
どうやら岡田さんは職員室で、3年生のクラス分けを覗き見した様子。仲の良い友人と一緒のクラスで居られるかどうかは、学生生活の充実度に真剣に関わってきますよね。
「陽菜と私 一緒だったよ」
「嘘!やったね!!」
喜び合う二人。自分の属するリア充グループのメンバーの一人が確定しているのは心強い状況です。特に、高校デビューしたネモにとっては死活問題でしょう。
そしてリア充グループのリーダー的存在である清田くん。名前まで良い人感がにじみ出ています。(個人的には、清田くんは根っからの善人だと思っています)
ここで「清田くんはどうか」とすぐにネモが聞いたのは、来年クラス内での上位カースト=リア充グループメンバー入りを確定させることが出来るかどうかを気にしたからだと思います。
もちろん、これはネモが清田くんや岡田さんをそういったリア充入りの道具としてしか見ていないとか、そういうわけではありません。暗い感情は抱いていないとは思うのですが、ネモはリア充グループ内で声優を目指していること……つまりオタクバレを極度に恐れていました。
つまり、本当の自分をさらけ出したら関係が崩壊するけど、隠しさえすれば仲の良い感じの話し相手になれる。会社、学校……そういった趣味・思想・性格がごった煮の箱庭の中ではよくあることだと思います。
むしろ、色々な人と隔てなく仲良くしておこうとすれば、このスキルは必須になると思います。ネモは演じる力に長けているからこそ、高校生のこの段階でうまくやっていけているのでしょうね。
……だからこそ、ここで「黒木さんは?」と聞きたがっているネモが嬉しかったんですよ。
ネモはモノローグが少なく、本心では何を考えているのかファンの間ではよく議論されるキャラクターな印象がありました。(特に「アニメ嫌い」発言については結構各所掲示板で意見が割れていましたね。ひょっとしたらネモはもこっちのことが嫌いなんじゃないかとか、性格悪いんじゃないかとか、言われていることもありました。)
僕は以前から、ネモはもこっちに対して好感を抱いていると(特に食堂の一件から)思っていたのですが、これで胸を張ってそれを主張できるな、と思いました。やっぱり、もこっちはネモにとって本当の自分をさらけ出せる貴重な存在なんですね。
だから同じクラスに居て欲しいんですよ。いや……来てますよ。ネモもこ来てます。(Mr.マリック風)
そんなネモの数少ないモノローグである、もこっちの荻野先生に対する「死ね」発言に対し、(そこだけはちょっと気が合うね)と同意するシーンがあるのですが、やはり……。
5つ目の短編のタイトルは「プロ」。志望が声優なだけあって、流行りの芸人のマネを絶賛されるネモ。今回はネモの出番が多いですね。最高かよ……
ここで清田くん、盛り上げるためかクラス内の誰かのモノマネをリクエスト。それに対してネモが選んだのは、
もこっちのモノマネでした。
こういうモノマネってクラス内の下のカーストの人か、清田くんのような気のいい人が対象になりやすいですよね。大体モノマネって大げさに面白くしたりするので、それで軋轢が生じたりするので。
しかし、もこっちの事をよく見てるからこそ自信があって選んだのかも……と思うとテンション上がってきますね。
このモノマネもどうやら似てるらしく、リア充カースト内でも大受けの様子。でしたが……。
呼ばれてもいない特別審査員が突然乱入してきました。
岡田さんが横向いてびっくりしている辺り、ヤードラット星で瞬間移動を会得した可能性が高いですね。
そして周りを置き去りにして評価を語る特別審査員。清田くんでもフォローが厳しそうですがこの後の空気は大丈夫だったんでしょうか?
……しかし、「蠱惑さ」という単語。日常生活で聞くことは一生無いであろう形容表現です。一般的な女子高校生どころか、成人の語彙力を遥かに上回っている印象を受けます。普通こんな表現出てきませんよ。「もっと声低そうで高くて」という一件矛盾した形容も絶妙です。
前回、今江先輩に抱擁されるもこっちを見て「最後の性を感じてる」と評したぐらいですからね。恐らく現代文は帝大首席レベルの実力を有していると見て間違いないでしょう。
6つ目の短編のタイトルは「覚えてる」。
……タイトルとネモともこっちの組み合わせの時点で僕はガクガクと震えてしまいましたよ。あぁ……覚えてるといったら、あの。という予兆を感じました。
……閑話休題。ぼーっと座っているもこっちにモノマネをしたことを明かすネモ。
「自分の知らないところで自分のモノマネをされる」のは嫌なことですからね。それを明かしたのは、ネモがもこっちに対してフェアでいたかったのではないでしょうか。つまり、不誠実だと感じたと(これは少なからず好感を抱いている相手ではないと起こり得ない感情ですよね)。
そしてこの「………」です。
この沈黙が好きで、僕は読んだ後しばらく悶絶していましたよ。
そのままモノマネの内容をやってしまったら、自分への心象を損ねてしまうし、不用意にも黒木さんを傷つけてしまうかもしれない。
じゃあ、どんな黒木さんをモノマネしようか…。そうだ、せっかくだから、あれにしよう。
そんな思いが逡巡していたのかもしれません。そして……
繰り返しますが、この短編のタイトルは「覚えてる」です。
もこっちは入試の時に拳を重ねた相手がネモだということをすっかり忘れてしまっています。でもネモは覚えているのです。
あの時のことを「覚えてるよ」と。それを伝えたくてこのモノマネを選んだのでしょう。
そこには入試の時と別人のようになってしまったもこっちをからかう意図があったんじゃないかな、と思います。でもそれだけではない気がするんですよね。例えばネモがリア充に転身した切欠になった事へのメッセージだったりとか……。ネモが何を考えてこのモノマネを忠実にしたのか、それを妄想するだけで飯が加速しますね。
なんというか、もこっちにしか伝わらないモノマネをやってるのがたまらないんですよね。(それでいてまた伝わってないのがもどかしい)
そして仲いい感じで加藤さんが会話に加わってるのが最高です。
いやあ、本当に……田村さんが可愛かったり、ネモの謎めいた心境の一部がついに明確になったかなぁと思います。
今回の話は本当に密度がありましたねぇ。本当に、いやあまだ語り尽くせてない気がします。こんな事今まで無かったですねえ。
いつにもまして筆に熱が入ってしまいました。ワタモテ最高!!