場末の。

ワタモテの感想記事がメインです。たまに他の話題を取り扱った記事も投稿します。

ワタモテレビュー喪120「モテないし打ち上げる」

9月7日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪120「モテないし打ち上げる」が公開されました!

 

www.ganganonline.com

 

この3週間ずっと待ち侘びていた打ち上げ回がついに更新されました。
いえ……本当に、特に先週の木曜が厳しかったですね。何度か精神的に崩壊しかけましたから。(なんで木曜なのに更新されてないのぉ~~~!?!?!??ボゲッゲェェェ)
ですが、やっと読めます。
果たして、もこっちは上手く打ち上げを乗り切ることが出来るのでしょうか……

 


……と、それが本題になると思っていたんです。読むまでは。
ですが、度肝を抜かれました。
今回の話の主人公は、恐らくもこっちではなく……彼女でした。

 

 

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プレビュー画像は吉田さんもこっちのペアです!
……なんか既にスリップダメージ入ってそうな表情ですが大丈夫なんでしょうか。

 

 

 

 

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清田くんを筆頭としたリア充グループが盛大に乾杯する最中、もこっち一同は控えめなノリで「かんぱい」の一言。
どうやらプレビュー画像のもこっちは飲み会の空気に呑まれていたようですね。

 

 

もこっち(打ち上げって焼肉屋とかでやるのか……陽キャはBBQとか肉焼くの本当に好きだな……)
もこっち(会費3000円って言われた時ぼったくりと思ったが食べ放題だからか……)

 


もこっちの脳内では、浜辺でBBQやってる肌の焼けたサーファー達がウェイウェイ言ってそうですね。
確かに高校生のクラス会の打ち上げで焼肉は豪華な気がしますね。私は……うーん、全く記憶にありません。何かあったのかな……(ひょっとして私だけ連絡来てないとか無いよな……?)
中学時代はファミレスとかで済ませていたような気もします。
ちなみに、私は筋金入りの陰キャですが焼肉は好きです。肉焼くのは大体の人が好きなんじゃないかな、もこっち。

 

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そんな中、テーブルのオーダーを取りまとめ、来た肉を淡々と焼いて渡す仕事ぶりをみせる真子。本当に出来た子ですねえ。
それを見たもこっちは「手伝ったほうがいいのか?」と殊勝な考えを浮かべます。
そういう気遣いができるようになっただけでも成長ですよね。
もちろん真子は場馴れしているのもあると思いますが、気遣いできる人でないと、テーブルを取り仕切ってくれている人への感謝とかも出来ないものですから。

 

 

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 「クラスの打ち上げじゃなくても良い気がする」
……そうなんですよね。いや、結構耳が痛い話です。それだったら、なんでもない時に4人で集まれば良いんですよね。本来であれば。(これに対する回答が、後々の田村さんの台詞にあります)
私自身、付き合いが悪いと思われたくないから渋々参加して、大体固定のメンバーで座ってますからねえ。
ある種このもこっちの思考は「全員が集う良い機会なんだから、普段話さない人と話そう」と思える人の発想に近いような気がします。(例えもこっちがそう考えてなかったとしても、です)
そして、これは「黒木さんと吉田さんが参加しないなら打ち上げに参加しない」(「打ち上げはクラス全員揃ってるけどそれは関係ない。4人で居たい」)と言った田村さんとは対極的になるんですよね。

 

 

 

……と、話が逸れましたね。もこっちの隣を自然体で陣取っている天空侵犯さんの存在に触れないといけませんよね。

「さっきから真剣に肉を焼いている」といううっちー。焼いているのはモチでは?

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トングから自分の箸に持ち替えてから、塩コショウを適切な配分で振りかけ、光り輝くほどのクオリティに肉を成長させました。
ひょっとしたら今まで何枚も焼いていて試行錯誤していたのかもしれません。その最高の傑作を……

 

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 もこっちが視線をそらしている隙に、自分の箸でもこっちの皿にその最高傑作を置きました。

 

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赤面するうっちー……重症です。

うっちーは「ほら、良いの焼けたから食べなよ」と自分が焼いたことをアピールして、恩を着せるような事もしません。自分が焼いたことは知られなくてもいいから、ただ美味しい肉を食べて欲しいという純粋な気持ちで真剣に肉を焼いていたのです。

……なんでしょうね。これは。
恋愛に鈍いハーレム系アニメの主人公に影で尽くすヒロインのような構図になっています。

しかも、もこっちを「例のあの人」と馬鹿にしている雌猫の間グループの面々にそれを見られているのですが、気にしていないようです。
……必死にもこっちと密着した駅についてグループメンバーに問い詰めていた頃から薄々察していたのですが、もうキョロ充を取り繕うのに限界が来ているみたいですよ、うっちーは。
いずれもこっちへの愛のためにキョロ充としての自分の殻を破り、全てを投げ捨てた完全変態を遂げると思います。

 


さて、もこっちの隣はさておき、対面の田村さんが口を開きます。


「……もし3年で別クラスになったら4人でご飯食べるの最後かもね」

「……別にクラス替わっても会おうとすりゃ会えんだろ」


そう返す吉田さんの意見は的を射ているようにも思えますが……


「吉田さんも黒木さんもわざわざ会いに来るタイプじゃないでしょ」


田村さんは二人の性格をよく理解していました。
先程、もこっちは「4人で食べるなら打ち上げじゃなくても良いんじゃないか」
と内心考えていましたが、このメンバーは
「自発的に4人で食事を取ろうとする機会を設けるタイプではない」
んですね。(田村さんが頑張るか、真子が配慮するかしなければ、食事の機会はもうないでしょう)


クラスが変わったり学校を卒業したりして、仲良かった人物となんとなく疎遠になってしまうあの感覚。
それを田村さんは恐れているのかもしれません。
恐らく、田村さんにとって、このメンバーは数少ない自分の居場所なのですから。

 

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と、ここでコミュ障殺しの席替えタイムが。
(真子を除いて)交友関係の少ないであろう4人がバラバラになってしまうのは不安ですが……。
まあよっぽど運が悪くなければひどい席にはならないでしょう。
もこっちは持ち前の精神力で(「うっせーキバ子」精神)なんとかなりそうですし──

 

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ぎょ、ぎょええええ〜〜!!
神は意地悪なのか……よりにもよって南さんと田村さんが隣り合わせです。
田村さんは露骨に南さんから目を背けています。

 

 

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一方、もこっちの隣は加藤さんと二人三脚でもこっちのメンタルをブレイクしたイケメン。
少々左肩が上がっているように見えるのは、席が狭いのか、それとも二人三脚イケメンに対して少しだけ緊張しているのでしょうか(加藤さんに対しては肩の力を抜いていると考えるとちょっと萌える)。もこっち的には大当たりの席順でしょう。
が、少々顔がひきつっていますね……。
以前なら「慣れない人の隣りに座って緊張しているから」と推測することも出来たでしょうが、
今のもこっちなら「目の前の席順(田村さん・南さん)がヤバイ」ことに対してのものだと思えますね(この先の展開からも明らかです)。

 

そして南さんは、わざわざ後ろの席の真子に対して「まこっち食べてなくなーい」と積極的に話しかけます。

 

「こうやってると修学旅行思い出すよね ほら あの時もこうやってさー」
「そうだね」 

 

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露骨な修学旅行の話題振り、3日目に真子が居なかった事を持ち出す。
これは明らかに隣の席の田村さんへのあてつけです。

田村さんは内心穏やかでないでしょうね。遠回しな攻撃に対して反応しても負ける未来が見えていますから、沈黙するしかありません。
それを不安そうな表情で見つめるもこっち……掛ける言葉が出てきません。
ですがその沈黙からは、田村さんを慮る気持ちが滲み出ています。モノローグが無いのが素晴らしい。

 

が、その一触即発の空気に巻き込まれるもこっちを助ける天使が降臨します。

 

「黒木さんこれ焼けてるよ 食べる?」
「えっ あっうん」
「飲み物空だけど何か飲む…」
「あっ うん…」

 

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全人類の保護者、加藤さんです。

なんでしょうか、この絶対的な安心感は。
登場するたびにもこっちに優しい態度で接するのでもはや存在が癒しと言っても過言ではない加藤さんでしたが、
遂に公式で「お母さん」認定されてしまいました。バブみが深い…

 

柿沼友人1 [私モテWiki]に対しても「なんか飲む?」と聞くなど、どうやら加藤さんは本当に分け隔てなく誰に対しても優しいようです。
それを見てもこっち、
(同級生なのになんだこの差は? 打ち上げとか参加してこなかった経験の差か?)
と本気で経験値不足に対して焦りを感じ始めます。
経験の問題というよりは加藤さんが善人だからと言うのはあるかもしれませんが、それを見て触発されて我が身を改めようとするもこっちも十分偉いですよ。

 

 

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(いや 肉焼いて配るくらいなら私だって……!)と気合を入れて肉を焼きまくるもこっちでしたが、火属性付与(エンチャント・ファイア)してしまいます。内臓系でも一気に焼いてしまったんでしょうか。
以前ならここで致命的な大失敗をして場を台無しにしてしまい、死にたくなる展開もあったのでしょうが……

 

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暖かな笑顔に包まれる優しい世界が広がっていました。

そうそう、こういうのが見たかったんだよこういうのが……(涙)いやあ……ちょっとたまらんですねこれは。加藤さんどんだけ可愛いのよ……。

 

そこで、隣の二人三脚イケメンが口を開きます。

 

「黒木さん俺覚えてる? 二人三脚で……」
「えっ? あっうん(名前は知らねーけど)」
「最後だから敢えて聞いとこうと思うんだけど 一学期の頃さ……HR中ケータイで」

 

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とてつもない難題が来ました。
そう……もこっちは以前ちんこが表示されているスマホをダイナミックスライディングさせてしまい、荻野先生に画面を晒された経験があるのです(完全に自業自得ですが)

 

ですが、これはもこっちにとってはピンチでもあり、うまい言い訳をして弁解するチャンスでもります。
「ちんこをHR中に見てたやべーやつ」から「事故でちんこを開いてしまったかわいそーなやつ」ジョブチェンジすることが可能なのです。

 

 

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プラン①。どんな姉弟だ、本当にその通りです。
ちんこ姉妹に話したら二人とも早急に服を脱ぎ始めそうですね。

 

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プラン②。谷川ニコ先生の実話プラン。
「悪くないがツイッターのアカウント聞かれたらバレるな」という理由で断念。
普通ならこれも「ありえねーだろw」的な話だと思うんですが、谷川ニコ先生が書いているので説得力が段違いです。そんなこともあるよね。

 

そこでもこっちが選択したプランは、友達(ゆうちゃん)がイタズラで送りつけたことにするプランでした。
他校の生徒なのでよっぽど運が悪くない限りは二人三脚イケメンが絡むこともないだろうということを考慮してのことでしょう。
……いや確かに少々苦しいですが、ゆうちゃんに申し訳ないことを除いては上手い言い訳です(短時間の中アドリブで出したにしては)。


(しかし私も成長したな 男相手にテンパらずに冷静で的確な対応できた!)


うんうん、そうだね。後でゆうちゃんに菓子折りでも渡しとけよ。

 

 

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一方……賑やかな世界の中で、喧騒からただ一人隔絶されたように、田村さんは押し黙っていました。
ぼっち仲間であるもこっちは、今まさに目の前で他の人と楽しげに会話をしています。

 

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救いの手を求めるように視線を吉田さんに向けますが、なんと吉田さんは岡田さんと会話していました。さらっと書いてありますがちょっと衝撃的です!
前々回のもこっちをいじめていたという誤解を解いたきっかけで、今回会話する仲になれたのでしょう。

 

そう……今この打ち上げで誰とも話さず、ぽつんと座っているのは田村さんだけなのかもしれません。
自分が誘った孤独な二人は、他の誰かと会話しているのですから。

 

 

 

打ち上げも終わり、2次会はカラオケ。
クラスのメンバーの大半は残る中、田村さんはそのまま駅へと向かいます。
その寂しそうな背中を見つけた真子は「えーー!? 空気読んでよー」と本気で残念がる南さんの静止を振り切って、田村さんのもとへ向かいます。


「みんなと行かなくていいの?」
「うん 今日はいいや」
「バスじゃないの?」
「駅近いし今日は電車で帰る」


勿論駅が近いというのは建前で、淋しげな田村さんを放っておくのが耐えられなかったんでしょう。
田村さんもそれを薄々と感づいているのか、矢継ぎ早に別の選択肢を問いかけます。同情で来てくれてる訳じゃないよね、と。そう聞いておかなければ、落ち着かないんでしょう。

 

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心情を少しだけ吐露する田村さん。
「ひょっとしたら、もう4人で一緒に居る機会はないのかもしれない」
田村さんは打ち上げの最中からずっと、この恐怖と戦っていたのでしょう……。
田村さんは決して多弁ではなく、アクティブな性格でもありませんが、友達を思う気持ちは一番強いのかもしれません。

 

 

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そんな田村さんのもとに、すっと姿を見せる吉田さん。卒業式のネクタイを引っ張りに来たときといい、肝心な時に来てくれるヒーロー(ヒロイン)タイプですよね。

 

「2次会は?」
「行かねーよ つーかてめーが来いって言ったくせに帰ってんじゃねーよ」
「あっ ごめん…」

 

……「てめーが帰るんだったら行かねーよ」の裏返しでしょうか。
今の田村さんが一番欲しかった言葉なのかもしれません。

 

夜の海浜幕張駅のホームはがらんとしていました。
そこで次に来る電車を待つ3人……そこに最後の戦士、もこっちが現れます。

 

「2次会行ったんじゃなかったの?」
「い…いや 今日のどの調子悪いから カラオケって言ってたし」


また同じ予防線の質問をする田村さんに対し、もこっちは嘘で返します。
ただこれは別に田村さんが寂しそうだったから追いかけてきたという訳ではないようです。

 

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もこっちver2.0は一味違いました。なんと自分がやらかすであろうことを客観的に判断できています。

 

(冷静で的確な上危機回避能力まで身につけて……成長性Aだなこれは…… 持続力はDくらいだが……)

 

確かにバトル中のスタンド使いのような冷静な判断ですよね。
以前までのもこっちならウケ狙いの曲を入れてダダ滑りして「くそがー!!」とか言ってそうなので、この判断は正しいと言わざるを得ません。

ってかこの文章書いてる私より冷静ですよ(2次会のカラオケで失敗を何度もしているため)。もこっちではなく黒木さん呼びしないといけないのかもしれない……。

 

……そんな事を考えている間に、電車があっという間に来てしまいます。


「じゃあ黒木さん吉田さん 今度は3年だね」

 

真子の別れの言葉がホームに響きます。

 

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……田村さんは、ベンチから立ち上がりませんでした。

 

「4人だけでもうちょっとだけいれればよかったかな……」

 

その願いを叶えるタイミングは、今しかありません。同じクラスになる確証もない4人なのですから。

 

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今までぽつりぽつりと零していた「4人で一緒に居たい」という思い。
それが遂に溢れ、「電車に乗らない」ことでそれを叶えたんですね。


思えば、前回田村さんがもこっちと吉田さんを打ち上げに誘ったのは、
「この4人で一緒の時間を過ごしたい」……それだけのためだったんですね。
それ以外はまったく必要が無かったんですよ。
クラスの打ち上げはあくまで口実であり良い動機であり、それを4人のためだけに利用したかった。
なのに、席替えがそれを台無しにしてしまい、ずっともやもやしていたんでしょうね。


「もっとみんなで話そうよ」なんて直接的な事を言うのは恥ずかしかったのかもしれません。
だから段階的に「一緒に食べるのはこれが最後かもね」→「もうちょいとだけ一緒にいたい」→「一緒に居ていい?」
と、終わりの時間が近づけば近づくほど、田村さんの言動がより直接的かつアクティブになっています。
時間経過とともに田村さんの感情の揺れが強くなっていってるんですね。

 

ええ……控えめに言ってもめっちゃ可愛いですよ田村さん……!!

なんというかこう、いじらしいというかなんというか……。シャイであろう田村さんが精一杯甘えたのがこれだと思うと、胸がね……こう、張り裂けそうですよ。


そう、今回の話の主人公はもこっちではなく、田村さんだったんですよ。
前回どうなるのかドキドキでしたが、本当に想像以上のものを読ませていただいたなという気持ちでいっぱいです。

 

うっちーや加藤さんや田村さんや、もう出血大サービスでしたね。色々詰め込まれすぎてて本当に素晴らしい回でした。
……クラス替えの結果は、田村さんの思いが叶っていることを願うばかりです。