場末の。

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ワタモテレビュー喪158「モテないし謹慎する」

6月6日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪158「モテないし謹慎する」が公開されました!

 

 

前回の喪157が「謹慎するってよ」という伝聞的な表現になっていたのに対し今回は「謹慎する」となっているのは、前回はもこっちが一切登場せず周辺人物のみの登場だったのに対し、今回こそもこっちが主観的視点で登場する事の現れです。

大勢の友人がもこっちの帰還を待ち侘びる中、果たして生徒指導室でもこっちは何をしていたのかが明かされます…。 

 

 

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今回のプレビュー画像はもこっちと吉田さんです!
「完全に別の世界で生きてる」という表現が示す現状とは…。

 

 

 

  

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殺風景な生徒指導室に並んで座る吉田さんともこっち。
二人が座っているのがパイプ椅子なのが普段と違う空間に居る感じが滲み出ていますね。
画面手前側で腕組みする荻野先生、そして奥には生徒指導担当と思われる教師の姿が…。

 

 

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淡々とここに呼ばれた理由を問う眼鏡を掛けた教師。
二人は大体検討がついているだろうにとぼけますが、初っ端から言い逃れの出来ない写真という証拠を突きつけられ沈黙します。
しかしこの眼鏡を掛けた教師の特徴的な所は目が死んでいて淡々と話を進行する辺りです。謹慎という処分になった二人相手ですが、怒鳴ったりだとかはせずどこまでも冷静な態度です。
そして担任の荻野先生に話の詳細を引き継ぎますが…。

 

 

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荻野先生も非常に冷静であり、受験を控えた三年生時にやらかした二人に対して「運が悪かった」という表現を使います。
出来るだけ学校側としても謹慎者を出したくない(風評的にも)方針を伝えつつ、基本的には校則違反者の初回は注意で済ませる(麗奈は常習犯なので謹慎処分経験あり)ものの、今回のケースでは「外部の人間からの通報で写真まであり、建前上処分せざるを得ない」と詳細な理由を二人に告げます。
荻野先生は致命的に空気が読めないので読者からの心象は基本的に悪いものと思われますが、「運が悪かった」とフォローに回るような言葉を選択できる所に失礼ながら驚きました。嫌味なことも一つも言わない辺り、生徒のためを思ってやる行動が尽く空回りする所以外は至ってまともなのでは…?(卒業式回も顕著)

 

そして教科書をすべて教室から持ち帰るように言われた二人。廊下を並んで歩きますが…。(気が引けているのか、もこっちが強烈な猫背なのが特徴的)

 

 

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吉田さんからの謝罪。
「私のせいでお前まで謹慎だろ」と、吉田さんが気を利かせて良かれと思ってやった行動であるにも関わらず巻きこんでしまったことを謝罪します。
不良であるにもかかわらず吉田さんといい杏奈といい「巻きこんでしまった」という意識が共通してあるようです。運が悪かった、と当事者が言い訳するわけでもなく(校則違反行為を受け入れてしまったもこっちにも非はあるというのに)言い訳もなく詫びるのは流石ですね。

 

 

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そんな気遣いに満ちた言葉を受けたもこっちも「担任は内申に響かないって言ってたし」「一週間個室で自習とか楽しそうだし」とフォロー。互いに気遣いあいます。吉田さんがもこっちを気遣うシーンは多いものの、もこっちは黒木家に流れる血からヤンキーディスをしがちなのでこういうのは珍しいなあと思わされます。
そしてやはり謹慎処分に対して教師側が淡々としていたという感想をお互いに抱いたようですが…。

 

 

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親はそうもいかないものです。
娘のことが心配だからこそ真剣に説教するんですよね。「もし二人乗りで事故とか起こしたらどうするの!」という言葉からもそれが滲み出ていますが…。

 

 

 

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怒られたら怒られたで不貞腐れるのがもこっちらしいと言えます。学校にいる時は教師からそれほど怒られなかったのを意外に思っていたにもかかわらず「謹慎くらいで」というワードが飛び出てきています。
そんなゲームに打ち込むもこっちのラインに田村さんと加藤さんから連絡が。
「電話かけてきてもいいけど」「電話して」という言い回しの違いが実に田村さんと加藤さんの性格の違いを示しています。相変わらず田村さんは素直になれないようです。

そのラ●ンの返信を眺めていると、「明日早いんでしょ!ゲームやってないで寝なさい!」と部屋を問答無用で開けてくる母。それを受けてもこっちは渋々(明日から暇だし明日返信しよ)と就寝します。
もこっち、共感はできますがすぐに返信しない性格なんですね…。(心配してるんだろうから察して早めに返信してあげればいいのに)

 

 

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翌日も、やらかしたことからどこか口うるさい母親の一言にイライラするもこっちなのですが…。

 

 

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朝早いし5時まで残ることから、気遣って普段よりも弁当を多くしてくれる母。
説教するのは心配で大事に思っているがため。もこっちが起きるよりも早く準備してくれているんですから、そういった優しさに触れて急に態度が丸くなります。

 

 

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そして翌日、もこっち曰く「定時帰りの公務員並みに拘束される」自習授業を一般生徒と接触できない時間帯で行わされるもこっちと吉田さん。
「どうせ明日から暇だし」と甘く見積もっていたもこっちでしたが、なんとスマホが没収されてしまい返信出来ずじまいに……というのは喪157の描写からも察することができましたね。
個室で自習という言葉に乗せられてしまった感がありますね。

 

 

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そして他の生徒とズレた時間帯での勉強が始まります。
もこっちと吉田さんが一時間目のプリントに取り掛かろうとしたその時に登校時間。
予鈴から「今はSHRか…完全に別の世界で生きてるな」と時間も空間も隔絶された世界でプリントに励むもこっち。

 

 

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唯一の外界との繋がりは、生徒指導室に入ることの出来る教師だけ。
それにしても、生徒指導の役割を背負っているとはいえ、自分のクラスの担任の仕事をこなしつつ合間を縫って生徒指導というのも大変ですよね。

そして一時間目のプリントの採点結果は黒木70点、吉田60点…。
……あれ?そこまで差がない…?
教科やプリントの内容によるとは思いますが、現時点のもこっちと吉田さんの学習レベルは大差ないということなのでしょうか。
もしそうなのであれば今から吉田さんが頑張れば、田村さんが夢見ている光景も実現不可能ではない…?
さりげなく興味深い描写がされましたね。

 

 

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そしてもこっちが想定していた通り暇なものの、肝心の暇を潰す手段が剥奪されているため早くも一日目の一時間目にして気怠いムードが漂い始めます。
そして二時間目、三時間目と私語の許されない黙々としたプリントを100点になるまで解き続ける作業が続くのですが……。

 

 

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やはり届いていた。
前回、世界の中心ではなく生徒指導室の前で愛を叫んでいたうっちーでしたが、時間帯がズレていたせいでまさか授業中だとは思ってもみなかったでしょう。

 

 

f:id:ciel_machine:20190621030300p:plainなんとその三時間目の担当の教員はもこっちが一年生の時の担任でした。
この感想は、もこっちが一年生の時に読むのを辞めたか、アニメしか見ていなかった読者達の感想そのものではないでしょうか。喪女がヤンキーとニケツして帰宅して謹慎なんて、チャンピオンに移籍したのかというぐらいの超展開にしか思えません。

 

 

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一方それを指摘されたもこっち。内省的に一年の自分と今の自分を見つめ直します。
「でも 今は…」
もしこれが一年生時のもこっちであれば、何をしていようが自由だと変にテンションが上がって、一人遊びに励みそうな状況でしたが(一年生時の球技大会と同じ)、今のもこっちは孤独ではありません。隔たれた一週間は今のもこっちには余りにも長いものでしょう。そしてそれは、もこっちの帰りを待つ友人たちも同じ事で…。

 

 

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喪147で「2年間で手に入れた一人でも寂しくないという強さ」を失くしてしまいそうな気がすると言っていましたが、既にその強さを失いつつあるのかもしれません。それ以上のものと引き換えに、ですが。

 

 

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誰とも触れ合う事が現在許されていないもこっち、休み時間(他の生徒たちは授業中)に窓越しに平沢さんの姿を見つけます。実際、喪157の謹慎二日目に連絡を入れている描写がありましたね。
……平沢さん、やはり女子の輪には溶け込めないようで、後ろから手持無沙汰についていくというのがなんとも切ないです。その術はオレに効く

 

 

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そんな切ない描写の後の吉田さんは一段と可愛いですね。
でも、こんな嬉しそうな吉田さんに「ラッキーだったね」「いい人だね」とかいう訳でもなく「へーーー」とどうでもよさげに返答するもこっちは手厳しすぎます。

 

 

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面白い話をしろと言われて猟奇事件の話をするもこっち。
「吉田さん 普段イキってるぶんそのギャップで怖い系苦手かと思ったけどそんなことないね」
という台詞から、実際には怖がる吉田さんを見たかっただけだと推測できますが…相変わらずヤンキーへの偏見で満ち溢れています。
そういえば、喪109(「モテないし雪の日の学校」)で吉田さんからお勧めの本を聞かれたとき、著者の「矢沢」から探していたもこっちですが、あの時は恐らく「NANA」を勧めようとしていたんじゃないかと思うんですよね。

 

 

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もこっちがある程度狙って(というかこびりついた偏見で)攻撃を仕掛けているとするなら、この吉田さんの一言は素で放たれた凶弾といった所でしょうか。吉田さんは基本的にピュアなので煽るとかしなさそうですし。
……とまあ、普段のど付き合い漫才を軽くした感じのやり取りが二人の食事の間繰り広げられます。やっぱこの二人相性が良いのでは…と思います。吉田さんが基本的に寛容というか(主にセクハラを)引きずらないところにあると思いますが。

すると、このタイミングで昼休憩のチャイムが。
(……みんな何してんのかな…?)というもこっちのモノローグには、前述した「寂しさ」に弱くなっていることが示されています。

 

 

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「謹慎中に時間あるんだからこの機会に考えなさい」と荻野先生からパンフレットを渡される吉田さん。
……ひょっとしたらこの謹慎の期間というか、一週間吉田さんともこっちが密接に隣り合う時間が吉田さんに何らかの進路を決めさせる時間になる可能性はありますよね。(主に大学進学という方面で)それとも特に何もイベントがなく謹慎編は終了してしまうのか、気になるところです。
ところで堀先生というのはあの眼鏡の先生のことなんでしょうか?

 

 

 

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そして日も暮れ、長かった一日の終わりに反省文を書かせられるもこっちと吉田さん。
現代文が得意なはずのもこっち、たった二行で反省が終了してしまうという驚異的な作文能力を披露しています。左側の「すみません」は劇場版パトレイバー1の「BABEL」ウィルスやSFCメガテンの「すぐにけせ」を彷彿とさせる狂気を感じます。
そして反省できないもこっちが取った行動といえば…。

 

 

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吉田さんの反省をパクるという所業。普段あれだけヤンキーをバカにしているのに恥ずかしくないのでしょうか。
しかし吉田さん、無難に反省文を書けるうまさがあり、それほど勉強していない(と思われる)のに点数ももこっちと大差ないとなれば、推薦だろうと一般だろうと大学に行けそうなポテンシャルを感じますよね。
……なお、この反省文は「次からちゃんと自分の言葉で書けよ」と眼鏡の先生に苦言を呈されます。どこまで丸コピなんだよ。

 

 

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一方のパクられた側の吉田さん、帰り道のセブンイレブンでアイスコーヒーを奢ります。
このシーンは、喪98(「モテないし冬の雨」)でもこっちが吉田さんにホットコーヒーを奢ったお返しであると思われます。実際の所は今江先輩に奢るつもりだったコーヒーだったんですが…。
その時のもこっちのモノローグは(こんな気遣い(媚うり)ヤンキーにはできないだろ!!)だったんですが、作中時間で約半年、実際の連載期間としては約3年ぶりに「気遣いができる」というアンサーを叩きつけられた形となります。

 

そしてアイスコーヒーを飲みながら「一日ようやく終わったね」と一息つく二人。
やっと返ってきたスマホを眺めながら、ゆうちゃん、加藤さん、田村さん、ネモ…色々なメンバーから送られてきた連絡を眺めます。
一方の吉田さんは田村さんと真子の二名。もこっちは真子から来ていないというのが結構リアルな感じです。

 

 

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今回、教師から強く怒られていない二人としては「悪いことをした」という自覚が湧きづらく、反省の気持ちは中々湧いてこないものです。(学校側も運が悪かった、と認識しているため怒らない)
辛い処遇を受ければ受けるほど「なんであんなことをしてしまったんだ」と後悔し反省するものですが、二人にとっては友達と長い長い一週間の会えない時間というのが怒られるよりも辛いことなのでしょうね…。