場末の。

ワタモテの感想記事がメインです。たまに他の話題を取り扱った記事も投稿します。

ワタモテレビュー喪130「モテないし遠足が終わる(上)」

2月22日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪130「モテないし遠足が終わる(上)」が公開されました!

 

www.ganganonline.com

 


まずは、いつもの導入と行きたいところなのですが……
この話題に触れない訳にはいきませんね。

 

 

 

 

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祝!わたモテ12巻発売!!!

 

 


皆さん、もう購入されましたか? されてない方はいますぐ本屋へGOですよ!
近頃ますます人気が加熱しているわたモテですが、どうやら店舗特典の付いているアニメイト・ゲーマーズ等のショップでは、予約が殺到した結果一時品切れ表示になったようで……。
私も開店一時間後の某ショップに立ち寄りましたが、平積みされていたであろうわたモテが既に薄くなっており、後数冊しか残っていない状況でした。

 

 

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それにご覧ください! ゲーマーズ新宿店ではなななななんと、わたモテ特設コーナーが設置されていました!スタッフさんの熱意をビリビリと感じて興奮しましたよ!(撮影・当ブログへの掲載許可を頂いています)

 

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発売後は特典プロマイドの紹介に変わっていましたが、発売前はバレンタインデーに開催された100話まとめ読みRT企画の結果が紹介されていました。

 

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人物紹介に加えて登場巻数まで。「まだ手に取っていない人に読んで欲しい」という情熱の賜物です

 


11巻発売当時を思い返すと、正直に申し上げるならば現状のこの熱気は信じられないほどで……少し、涙腺に来るものがあります……。
「こんなに面白い作品が正当な評価を受けてくれた」ということは非常に喜ばしいことで、私もファンの一人として筆舌に尽くしがたい感情に襲われています。
これからも、わたモテの魅力を一部でも皆様にお伝えできれば幸いです。どうかお付き合い頂ければと思います。

 

 

 

 

さて……本題に入りましょうか。


今回のタイトルは「遠足が終わる(上)」……なるほど、激動の遠足編にもいよいよ終了の足音が聞こえてきたようですね。
前回、クラス替えの時から尾を引いていたネモと岡田さんの間の軋轢も解消され、吉田さんもメカクレ・タレ目さんの二人を許す事を示唆するなど、こじれてしまった人間関係が一気に修復の方向へと向かっていきました。
それを考慮すると、この辺りで一度区切るというのは自然な流れなのかもしれません。
(真子が向かったとはいえ、その人間関係修復ビッグウェーブに南さんは乗り遅れてしまった感がありますが…)


さて、目まぐるしく揺れ動く乙女たちの人間模様、今週は一体どのような展開を見せてくれるのでしょうか。

 

 

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今回のプレビュー画像は田村さっ……

 

 あたたたたたた田村さん!?!?(ケンシロウ)遂にトイレに……!?

 

 

 

 


行く宛もなく彷徨っていた南さんに追いついたのか、噴水の傍で腰掛ける二人のシーンから喪130は始まります。
そしてその時、南さんのポケットが振動し……。

 

 

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「茜」呼びといい、内容といい……。
このメッセージの送り主は勿論あの人、加藤さんしか居ませんよね。
二人の元から去る南さんを追いかけず岡田さんの傍に居ることを選択した加藤さんでしたが、
岡田さんが落ち着いたのを見てアフターケアと言いますか、救いの手を差し伸べます。
本当に万人に優しいんですね、加藤さんは。もはやその器量は高校生のものではないというか、一種の超越者のようにも感じられます。
それと、この可愛いアイコンはネイルブラシでしょうか。こういう小さな事からも、加藤さんのネイルアートへの情熱が伺えます。

 

その加藤さんからのメッセージを受け、真子は「ほら みんな心配してるし戻ろ」と南さんを慰めようとしますが、手を差し伸べてくれる人が二人居るにも関わらず「やだ! 私なんかみんなどうでもいいんだよ!」と南さんは拗ねてしまいます。
まるで子供のようですが、それが南さんらしいといいますか、(善悪はともあれ)人間らしい「キャラクターの生きている台詞」だと思います。ここで南さんが「うん、私が悪かったし謝りたい」といきなり反省したり、手を差し伸べてくれることに心から感謝できたりするなら、そもそもこんな事にはなっていないでしょうから(書いてて違和感がスゴイです)。

 

……こういう時に(真子が)なんと声をかけるべきかは難しい所です。
大人な態度を示してくれる加藤さんに対し、南さんはまだ子供のそれですので、他人の優しさを汲み取ることも、そして距離を置かれてしまった原因が自分にあることを冷静に受け止めることはかなり難しいでしょう。
例えば、ここで南さんを辛辣に責め立てることは(真子には難しいかもしれませんが)簡単なことでしょうが、程度を間違えれば南さんは岡田さんに言われた時のように逃げ去ってしまうかもしれません。
だからといってここでただ甘やかすようであれば南さんは自省せず、同じ過ちを繰り返してしまうでしょう。
田村さんから離れてまでその背を追いかけた真子には、真子なりの真摯な言葉を投げかけて南さんに「自分が間違っていた」ということを気づかせて欲しいですね(送り出した田村さんの優しさを無駄にしないという意味でも)。ただ南さんを慰めて合流させるだけでは何の解決にもならないと思います。
「罵る」や「慰める」ではなく、その中間であるところの「諭す」とでも言いましょうか。それはとても難しいことだと思いますが(主に受け手の問題なので)、「南さんみたいだったよ」と的確な言葉を投げることが出来る真子なら可能だと思いたいですね。
……何にせよ、孤立しつつある南さんには変わらなければならない時が来たのでしょうね。果たしてどうなるのでしょうか。見守っていきたいです。

 

 そしてメッセージの送り主である加藤さん、返信が来ないことはある程度予期していたのでしょう、「既読になってるけど返信してくれないか…」と冷静に受け入れます。
「心配してやってんだから返信ぐらいしろよ」というような押し付けがましい態度でない所が素晴らしく、南さんのことを本当に案じているのが分かりますね。

 

 

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その時、もこっち一向に遠方から声を掛けるのは聖人・清田くん。
前回の岡田さんからの仲直りの連絡を受け、その表情は晴れやかです(ケンカしていた二人に呆れていた鈴木くんは、少し冷めたような感じの表情ですが)。
その元鞘に収まりそうな雰囲気のリア充集団を、リア充のテンションからは対極的な位置に居るもこっち・田村さんの二人が肩を並べて輪の外から見つめるという象徴的なカットが入ります。(ここすき)

そして、鈴木くんは加藤さんを含めた三人に「今から一緒に回るか」と提案します。
しかし……ネモにはここだけでない、また別の居場所が存在します。「えーとね……」と迷いが生じたのか、視線をついそちらに向けてしまうネモ。

 

……が!岡田さんはそんなネモの様子を察して、なんと「私達はいいから黒木(あいつ)らと行ってきなよ」と気遣います。
前回の「それでも……最初に相談して欲しかった」という発言といい、これまでの発言の流れといい……ネモの一番の親友であることを自負しているであろう岡田さん。
それでも、ネモと一緒に回ることに固執せずに、ネモの気持ちを尊重することができる。真に相手を思いやる人でなければ出来ないですよね。
前回の真子を送り出した田村さんのことをふと思い出します。

 

その岡田さんの発言に「!」と驚いた様子のネモでしたが、最終的には「んーん 大丈夫」とリア充グループで回る事を選択します。
一度は自分の行動でバラバラになってしまったグループ。
ネモがそのことに負い目を感じているのはあるでしょうし、気遣う岡田さんの優しさにも応えたいというのはあるかもしれません。
それに、カラオケの誘いを断ってアニメを見るために帰宅するなど最近はリア充グループと距離を取っていた分、ここで一緒の時間を作りたいのはあるでしょうね。
(誘いを断り続けると次第に疎遠になってしまうでしょうし)

 

 

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「付き合いでちょっとだけ抜けるから また後でね」──なななな、なんでしょうか。
まるで「もちろん本命はこっちだけど」と言わんばかりの言い回しに聞こえるのは私だけでしょうか?
えー……というのもですね、私の感覚がズレているだけかもしれないんですが、言わせてください。個人的には、「付き合いで」という言葉が結構ビックリワードなんですよね。
というのも、「付き合いで」というのは、職場やバイト先の飲み会だとか、職場・友人関係を円滑なものにするための行動に対してよく付ける言葉だと思うんですよね。
どちらかと言うと、自分から「楽しそうだから率先して参加したい」というよりかは、自分の立ち位置を守るメリットが優先される時にチョイスされる言葉とでも言いましょうか。
つまり、自分の今のメインの居場所というよりはサブの居場所に行く時に出てきそうな台詞だと思うんですよ。ということは今のネモはリア充の自分よりもオタクの自分を優先したい、だからオタクの自分をさらけ出せる場所=クロの傍を優先したいと思っているからこの台詞が出てきたのかな、と思います。もしリア充グループをメインと考えているなら、「今までありがとう。そろそろ戻るね」という台詞辺りに落ち着きそうですし。
それと、名前を呼んだ順はそのままネモの好感度順でしょうね。(クロ>吉田さん>田村さん)それと、「またな」と笑顔を向ける吉田さんの対応からは、吉田さんからのネモへの好感度の変化が伺えますね。

 

 

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↑何気ないカットですが、このクラスで良い人指数一位・二位を争うであろう清田くん・加藤さんペアが手を振っています。なんて細かいんだ……本当に納得の人選です。

 

 

そして次第にどんどん人が減っていくもこっち一行。「またいなくなっちまったな」「これからどうする?」と話し合う吉田さん・田村さん。そんな一行に近づく二つの影がありました。

 

 

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それは吉田さんと仲違いしてしまったメカクレさんとタレ目さん──ってメカクレさん思ったよりも重症だったァ──ッ!!
人の怪我を笑うのはよくないことだとは笑っていてもメカクレさんの頬の傷は初読時笑ってしまいました。どんだけ本気で殴ったんですかね……。
吉田さんの頬の傷とはあまりにも差がありすぎます。メカクレさんが心優しいので手を抜いていたのか、それとも吉田さんが強すぎるかは分かりませんが……。

 

そして吉田さん、言いたかったであろう「私に非はねぇが悪かったな」と謝罪の一言を伝えます。
タレ目さんはそれを「もういいよ」と言いつつ(非はあんだろ)と、口に出したら面倒なことになりそうなので心中で的確なツッコミを入れます。その通りです

 

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メカクレさんの名前がここで麗奈さんだということが明かされます。
って……「ちょっくらシーの方」って、まさか……。
確かディズニーランドの通常チケットって、シーとランドは両方行き来出来ないですよね?ま、まさか高額のそれを自腹ですか……!?
……どうやら麗奈さんはシーでしか買えないうさぎのぬいぐるみをわざわざ買いに行ってきたようです。
な、なんということでしょう!そこまで麗奈さんが悪いわけでもないのになんという誠意ある謝罪なのでしょうか。
いやはや……ヤンキー間の友情の深さというのを改めて思い知らされました。これなら吉田さんもニコニコの笑顔で許してくれるはずです!ですよね、吉田さん!

 

 

 

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それ買った時じゃなくて狩った時の持ち方じゃねーか!!

 

 

ぬいぐるみだからといって吉田さんは妥協のラインを下げる事はありません。ぬいぐるみだって夢の国では生きているんです。命は丁重に扱えと言わんばかりに頬に拳を叩き込みます。でも傷口はやめたってくれんか……

 

そんなどこか抜けているところが多い二人に「おい!いい加減にしろお前ら!!(特に茉咲)」と突っ込みを入れるタレ目さん。このペースでは心労で倒れないか心配です。なんだかもこっちグループ結成時の真子を思い出しますね……。アタッカーだらけのわたモテではどのグループにもヒーラーは必要ということなのでしょうか。


……そして、雨降って地固まる。喧嘩して冷静になった吉田さんは麗奈さんに改めて感謝の意を伝えます。お互いに前進、といった所でしょうか。
そんな短絡的な一連のやり取りを(やっぱヤンキーはアホだ……)と呆れた様子で見守るもこっち。黒木姉弟の共通認識が更に深まってしまいました。

 

その仲直りの様子を見届けたタレ目さん、「んじゃ茉咲(おまえ)は連れいるみたいだしあたしらは行くわ」と配慮を見せます。
が、それを聞いた田村さんは吉田さんを呼び止め、「私は黒木さんと行くから あの人達と行って」とまたしても配慮で返すことに。
……構成が見事ですね。誰かがグループから離れる時は、必ず「遠慮せずに行って」と他の誰かが背を押してくれる。その優しさの連鎖が続いているのが素晴らしいです。
特に田村さんはこれが二回目です。やはりとても優しい娘だということを再認識させてくれますね。

 

そして吉田さんは「……わかった でも約束忘れてないよな?」と、逡巡(三点リーダー)した後に再入場の約束を改めて再確認。
また後で再会することを約束します。(この辺りもさっきのネモと同じ流れですね)

 

 

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そして、さっきまでの喧騒が嘘のように静まり返ります。(さりげなく後々の重要アイテムになるチュロスがここで登場しているのが細かいところです)
「なんか疲れたな……」「そうだね……」と昼食ぶりの本格的な休憩に肩の力を抜く二人。
元々地がローテンションな二人は、入園してから周りに合わせて歩きっぱなしだったり、アトラクションに乗ったりと、結構無理をしていた所があるのかもしれません。(田村さんは特に絶叫系が……)
この二人は「無理に合わせる」というようなことをしなくてもよい、いわば気の置けない仲です。ただ座ってのんびりと過ごす時間をいつでも遠慮なく取れるのでしょう。
と、そこで「あと2時間ぐらいか……なんか乗りたいのある?」と気を利かせるもこっちですが、「別に」という田村さんの淡白な返事の後に沈黙が訪れます。

 

 

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訪れた沈黙に混じる一抹の寂しさ……それを感じたもこっちは、なんと会話を盛り上げようと冗談を言ってみせます。「なんて…へへへ」という発言からも、そして内容からもそれがジョークだろうということは分かりますが……。

 

 

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田村さん!?


この「う…うん」という発言ですが、「う…」という部分からは田村さんには珍しい、表に出るほどの激しい精神的動揺が感じ取れます。
つまり真に受けた上で同意したということで、もこっちのこの「やっと二人きりになれたね」という、素で言っているなら歯が浮きそうな台詞を満更でもない(嬉しい)という風に受け取ったということです。
田村さん……マジですか……!ひょっとして「もこっちと二人きりで過ごしたい」という思いがほんのちょっと心の中にあったのでしょうか……!

 

頷いてしまった田村さんに対し、もこっちは呆れつつも(人数減って寂しくなったから盛り上げようとしたが よく考えたらこいつはそういうの気にするタイプじゃないか)と腑に落ちた様子です。もこっちはまだ田村さんのことを名前で呼ぼうとはしませんが、田村さんの性質をよく分かっている感じの描写が増えてきましたね。
が、この時、もこっちの発言が冗談であることにワンテンポ遅れて気づいた田村さん。(私も返した方が良いのかな……そういうの得意じゃないけど)と熟考を挟み……

 

 

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プレビュー画像で私が度肝を抜かれた、田村さんなりの冗談がここで飛び出します。

 

……が! 頑張って言ったそれもテンポが遅れていたため噛み合わず、「へ?」と間の抜けた返答をしてしまうもこっち。
それで我に返ってしまった田村さん、顔から火が出るほど紅潮し、「……いや なんでもない」と顔を逸してしまいます。
そんな田村さんの様子を見るともこっちも遅れて「あ!」(こいつなりの冗談か!? テンポ悪いわ!!)と気付き……

 

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なんともいえない申し訳無さと哀れみが混じったような絶妙な表情を浮かべるもこっち。これ以上無く田村さんに冗談を言ったことを後悔させる感じなのは狙っているのか素なのか(多分素でやるところが我らがもこっちでしょう。)。

 

 

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それを受けた田村さん、反射的に肘を入れる。
なんだかんだでこれで田村神拳を喰らったのは4人目(真子(ゆりドン)→うっちー(握撃)→クマの中の人(握撃)→もこっち(肘鉄))という事になります。なんだかここ数話で着々と増えている気がするのですが気のせいでしょうか(喪124から)。

 

 

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そして熟した林檎のように赤面したまま「無理してないよ」「びびってないよ」と返答する田村さん。
ぐッ……はァーッ……はァーッ……なんだかたどたどしい口調なのが脳内再生されるぐらい可愛いですね……(左胸を手で抑えながら)。

 

すると、肘の衝撃で思い出したのか「乗りたいの一つあった!」と閃いた様子のもこっち。
そして二人は「モーさんのミルクハント」というアトラクションへと足を運びます。牛がミルクを狩るのか…(困惑)。
ゆったりとした速度でモーさんの世界を堪能できるアトラクション……「これ激しくないやつだけど 私に気をつかってる?」と聞く田村さんでしたが、もこっちは中学の遠足の時に「あんなのガキの乗り物だよ」と今は顔も名前も思い出せない友人たちの誘いを断り、結局ゲーセンで過ごして乗らなかった経緯があり、その事もあって乗りたいと言い出したのでした。
そう、実はこれは以前にちゃんと出てきたエピソード(喪79、9巻収録)なんです。まさかここで回収してくるとはッ……!

 

そのエピソードが当時明かされた理由は、修学旅行で田村さんと吉田さんに裏切られたと勘違いして一人嵐山に行き、「グループからぼっちに戻った」事を思い出したから……つまりはぼっちになった事の象徴的なアトラクションだからです。
が、今回その象徴的なアトラクションに田村さんと二人で向かうというのは、その逆。つまりは「ぼっちからグループになった」というのを象徴する出来事のようにも感じ取れます。ひょっとしたら、もこっちはその過去の記憶を塗り潰そうと無意識に思っていたのかもしれませんね……。

そのエピソードを聞いた田村さんは「……(その誘ってきたのは)成瀬さん?」と聞きますが、「違う ゆうちゃんに会う前の話」ともこっちは否定します。
やはりもこっちの中学時代からの親友である存在として常に意識しているので真っ先に出てきたのでしょうね。少し話は逸れますが、田村さんはゆうちゃんに(もこっちの友人としての)ライバル心を持っているようにも感じられますし、田村さん⇔ゆうちゃん間のエピソードがものすごく見てみたいですね(LINEでの繋がりも出来たことですから)。

 

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さて、ミルクカップ(ポット?)型の乗り物に乗り込む二人。牧歌的な景色とのんびりとした雰囲気が二人を包み込みます。
もこっちはそれを「ギミックは色々あるが」と評価するものの、やはりスリルが足りず、「ガキの乗り物と判断した私はあながち間違いではなかったな」と内心で思います。
つまりは退屈さも感じているという事なのでしょうが、それを表には出さず、なんだかんだで田村さんと一緒に景色を見つめています。
もこっちは最初は退屈に思いながらも喪121にて父親の釣りに付き合い、それを「普通かな」と評していましたよね。そういう時間を楽しめる落ち着きが、きっともこっちの心の中に生まれたということなのでしょう。
一方の田村さん、くるくると回転する景色の中、もこっちの隣でそれを眺め、「私はこれが一番好き」と一言。今まではアトラクション中険しい表情で目を瞑っていたばかりの田村さん、どうやら遊園地のアトラクションで初めて心から楽しめる場所に出会えたようです。
きっと「モーさんのミルクハント」は、ぼっちの象徴的な場所からいい思い出の場所に変わったんじゃないでしょうか。

 

 

その後、モーさんのミルクハントを満喫した二人は土産屋に足を運びます。
すると、田村さんはさっきのアトラクションが随分気に入ったのか、牛のぬいぐるみを手に取ってじっと見つめています。
もこっちはその時三つ入りで八百円の「三牛士」キーホルダー(モーさんのキーホルダー)がある事に気づき、(一個ゆうちゃんで一個予備でもう一個は…)と考えを巡らせ、「あっねぇ…」という以前火種になった呼び方ながらも田村さんを呼び止め、その「もう一個」を手渡しします。

 

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小さなキーホルダーだけれども、嬉しそうに顔を綻ばせる田村さん。
思い出に残るアトラクションで、なおかつもこっちからのプレゼントだったこともあり、その嬉しさはひとしおといった所なのでしょう。

 

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……が、まだもこっちには田村さんの表情の動きと感情の機微ははっきりとは読み取れないようです。1円玉10個分ってどんなだよ。
恐らくこのコマの田村さんと前のコマの田村さんは全く同じ表情をしていて、このコマではもこっち視点から見ての表情ということなんでしょうか。
それでも(喜んでるか?)と思えているところから、少しずつ田村ゆり表情検定で昇級しつつあることが分かります。(一級取得者はもちろん田中真子)

 

 

そして二人きりになってからあっという間に二時間が過ぎ、集合時刻へと差し掛かります。
再入場スタンプを係員に腕に押してもらいながら、3-5の人集りの中へと戻っていく二人。少しの間、夢の世界から現実世界へと目を覚まします。
すると、輪の中心ではなく入り口(出口)側の方には加藤さんが居ました。
もこっちと田村さんに南さんを見かけていないか問いかける加藤さん。どうやら南さんが来るのをずっと待っていたようですが、その姿は未だ見えないようです。
すると、加藤さんはチュロスを「じゃあ あーん」と差し出し……

 

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そくしゃ……咀嚼するもこっち。夢の国の外に出た瞬間ジャブのように放たれる下ネタ(そもそもエロゲーの音声垂れ流してましたが)、ああ、わたモテがギャグ漫画だということを改めて実感してどことなく安心感すら覚えます。


どうやらこのチュロス、元は南さんのために買ってきたもののようです。
ただ冷めてしまうのは勿体無いということでもこっちに「あーん」したようですが、
背景にはハートマークのエフェクト……そして満面の笑みの加藤さん。

 

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やっぱりママじゃないか!
餌付けと言うか、さながら離乳食をスプーンで掬って赤ちゃんの口に運ぶかのような、そんな印象を受けてしまいます。
ネイルアートの時もそうでしたが、加藤さんがもこっちを可愛がるような描写がいよいよ今回強調されたような気がいたします。
加藤さんにとってもこっちは小動物的な可愛さがあるのでしょうか?もこっちの身長が低いとはいえ、身長差も相当ありますからね。

 

そしてすっかり顔面ゆでダコになってしまったもこっちは、チュロスのお礼に…

 

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先程土産屋で買った予備の分の三牛士をプレゼントします。
もこっちとっては他にプレゼント出来るようなものが無かったでしょうし仕方のない選択肢ですが、二人きりの大切な思い出のモーさんのミルクハントグッズをあっさりと他の人に渡す浮気現場を目撃した田村さんの表情筋が躍動します。やっぱ10gじゃないってこれ。
後田村さん、それゆうちゃんにも行き渡る予定ですよ。

 


加藤さんは「ありがとうー すごいかわいいー」などとおまかわな笑顔を浮かべてそれを受け取ります。さらに、どうやらお世辞ではなく本心からそう言っているようで、加藤さんはそれをリュックに早速付け始めます。
もこっちは(キャバ嬢やアイドルに貢ぐ理由が少しだけわかった……)と赤面しながらそれを見つめ、自分のプレゼントしたグッズを美人に付けてもらうという喜びに震えてしまいます。(それほどまでに加藤さんはやはりわたモテ世界の人々から見ても美人だということなのでしょうね)

 

 

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田村さんからすれば面白いはずもなく、どんどん表情が険しくなってしまいます。(それもまた可愛いんですが)
ここまで田村さんの表情を色々変えてしまうもこっち、真子にレズ思いさせるだけはありますよね。
……そして、更にその後ろにはネモの姿が。その視線の先は……

 

 

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別れる前は身につけていなかったストラップ──それに気づいたネモの口端が釣り上がります。
加藤さんにプレゼントしている光景も目にしているはずなので、それがもこっちがプレゼントしたものだというのは一目瞭然です。
そして即座に「クロー」と笑顔で近づくネモ。凄いぜネモ、友情最前線にグイグイ食い込んで行きます。
ただもう、ネモの分のグッズは無いんですよね。ひょっとしたら再入場で何かネモの更なるアタックが見れるかもしれませんね。
……もこっちマジでモテモテじゃないですか?(今更)

 

 

一方、そんな友達が沢山出来た様子のもこっちを見て頷く荻野先生
荻野先生といえば、皆さんご存知の通り吐き気を催す邪悪全ての始まりである修学旅行の班分けをもこっちの指示通りに決め、新幹線で番号順に座らせ、体育祭の競技を独断でくじ決めにした結果イケメン先輩との接点を作らせ3年5組のクラス分けで田村さんの夢を叶えるなど、枚挙にいとまがないほどの功績を挙げてきた名将です。

 

その名将荻野、吉田さんと真子と南さんの三人が帰ってこない事に気づきます。
……これまで数々の有能采配を決めてきた荻野先生であれば、判断を誤ることは絶対に有りえない筈です!

 

 

 

 

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何が大丈夫やねん。

 

 

 

さて……今回はもこっちが終始モテモテでしたね。
12巻の紹介文や帯に「モテだした!?」と書かれていましたが、今回は親友としての独占欲をやはり垣間見せてしまう田村さん、負けじと最後に差しに来るネモ、小動物のように可愛がる加藤さん……とさながらハーレム漫画のよう。
ここにうっちーが加わればハーレムという意味では完璧でしたね。そういった意味では、三角口が恋しい回でもありました。


それに思い返せばバレンタインデー以来の濃厚な二人きりのゆりもこでしたね。バレンタインデー回は約一年前なのでそれぶりかあ……と感慨深い気持ちにもなったりしました。
しかし一年前と比べると、田村さん……いやそれだけではありませんね。もこっちも、ネモも、うっちーも、吉田さんも、真子も……もう挙げきれないぐらいたくさんのキャラクター達の色々な面が見えてきて、それがたまらく愛おしいというか、息遣いを感じられる作品だなあと改めて思わされましたね。

以前、わたモテが何故こんなに面白いのか考えてみたことがあるのですが、回が進むごとに上述したキャラクターの新しい魅力的な一面が出てくること、そして人間関係が目まぐるしく変化していくこと(1ページ飛ばしただけでもう分からなくなるレベル)、なおかつその人間関係の変化がものすごく自然だから……脚本の都合だとか、そういう不自然な点が無いからなのかな、と思ったことがあります。だから、キャラクターの一人一人に息遣いが感じられるんですよね。
毎回驚くんですよ、「え、10ページ!? 体感だともっとあったように思うのに……!」とか。1ページが濃密なんですよね、本当に……。
こんな素敵な漫画をリアルタイムで読める幸せを噛み締めながら、次回の更新……なんと来週です!! を、待ちたいと思います!

 

 

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