場末の。

ワタモテの感想記事がメインです。たまに他の話題を取り扱った記事も投稿します。

ワタモテレビュー喪147「モテないし一人(ぼっち)で寄り道」

12月20日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪147「モテないし一人(ぼっち)で寄り道」が公開されました!

 

 

www.ganganonline.com

 

一人(ぼっち)…という単語は今のもこっちとはすっかり縁の無くなった単語でございます。(それはとても幸運なことだと思いますが。)
しかしもこっちとしては「一人の時間」も愛している訳で…いつも大勢の友達に囲まれる環境というのは、これまで過ごしてきた人生からすると「慣れない時間」な訳です。そんな訳で、今回のもこっちは珍しい行動に出ることになります。
そして鋭い方なら気づいたかもしれませんが、喪4「モテないし寄り道」のタイトルと今回のタイトルは類似しています。一体どのような展開が待っているのでしょうか…?

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032544p:plain
今回のプレビュー画像は二木さんもこっちです!
…ってなんか輝いてるゥーー!!

 

 

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032441p:plain
今回の扉絵はテストの模様が映し出されています。ちょっと岡田さんの回答が見えそうで見えないのが気になるところです。勿論3年生のテストということ、先生も見ていることから全員真剣に取り組んでいるようです。
…一つ確実に言えることは、このページで恐らく一番重要なのは画面左側の「最新コミックス第14巻1月22日発売!!」です。お忘れなく。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032438p:plain
真子とこみさんは同じバスに乗る模様。

「最近周りの雰囲気に合わせて勉強してたから」という、これまでの数々の勉強回は成果を結んだようで、「思ったよりできた」という結果をつかみ取ることができたもこっち。
まだ中間テスト一日目とのことでまだ戦いは続きます。早速帰って勉強、という流れに普段はなるのですが…。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032432p:plain
もこっち、急に足を止めます。
右側のコマを見ていただければ分かるのですが、足を止めたら周りのメンバーも足を止めて視線を向ける中央に居るということからグループの中心に今もこっちが存在していることの象徴的なコマではないかと思います。どことなく立ち姿も凛々しく見えますよね。

すると帰る前に本屋に寄りたいと言い出すもこっち。「付き合おうか?」という持ちかけにも断りを入れます。どうやらもこっち、自発的に一人になろうとしているようです…かなり珍しいことのように思います。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032519p:plain
書店でラノベを買ってきたもこっち、ワクドナルドで店員のスマイルに怖気づくことなく、少しどもりながらも声が震えることもなく順調に注文を終えます。
……ここまで成長しているとは。いえ、もこっちのここ最近の振る舞いを見れば当然と言えるのですが、もこっち及び読者にとってワクドナルドは因縁の地。そう、ご存知アニメの喪1(第一話)のラストエピソードをも飾った喪4「モテないし寄り道」では、スマイルを向ける店員にまともに応対できず、終いには「アフッ!」と謎の喘ぎ声をあげていました。その頃から考えると別人のようです。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032517p:plain
着席するもこっち。喪4の頃とは違い、周りに一人客が多いかどうか確認することもなく、他の客も大勢居るファストフード店で一人着席するもこっち。それはつまり、「一人で居るところを他人に見られてどう思われるか」あまり気にしなくなったという事でしょう。
「今日は一人で自由に過ごそう」という台詞からも、普段は誰かと居るのが日常になってしまったことから、そういう精神的余裕が出てきたのでしょう。望まずに一人になっている、という状態ではなく、むしろ自分が意図的に作り出した状態ですからね。
……ですが、「原幕生はいないだろうし…」というこの後の台詞からは、今後接点の生まれようのない他人からはどう見られようが構わないが、同じ学校の生徒からなにか揶揄されることへの小さな不安も感じ取れます。この辺りはかなり人間味が感じられますよね。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032515p:plain
もこっちの食事シーンは可愛いと評判

喪4の時の獲物を捕食する肉食動物のような食べ方と違い、至って人に見せても恥ずかしくない食べ方をするもこっち。
食べる時の擬音もおなじみの「もちゃもちゃ」ではなく「もぐもぐ」なのも驚きました。私が気づかなかっただけで最近から食べる時の擬音は変わっていたのでしょうか…!? もし、田村さん達との食事の機会が増えたことによりもちゃもちゃ擬音を控えるようになったとしたのならそれもまた成長なのでしょうか…(少しさみしい)

そして一人飯の美味さを改めて実感するもこっち。そういえば、田村さんが風邪で休んだときも一人飯をエンジョイしていました。(そのせいで真子が吐くことになったのはともかくとして)やはりタフなんですよね、もこっち。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032510p:plain
そして食事を終えてどう一人の時間を過ごすか考えつつラノベを読み耽るもこっちでしたが、女子高生のはしゃぐ声色が聞こえると本を読む手が止まります。
視線の先には前のクラス一緒だったワンサイドアップの女の子(ファンからの通称は委員長)が居ました。体育祭の競技ぎめでクラスを仕切る際、居眠りしているもこっちに注意をした程度の関係しかなく、かなり接点は薄いです。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032552p:plain
すると、もこっちに気づいた様子の委員長。ですが特に反応することもなく、露骨に悪意のある反応を示すこともありません。
とはいえ気づいたからといって、もこっちに絡むわけでもなく…。
これが仮にコミュ力があり優しい加藤さんや清田くんだったりしたら声を掛けていた事でしょうが、「普通はこうなる」という例でしょう。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032549p:plain
何の接点もない元クラスメートとの微妙な距離感
委員長の中ではぼっちだった頃のもこっちしか印象にないでしょうし、「黒木…だっけ?あいつまた一人で居るよ」というような、悪口の対象になっていてもおかしくはない状態。
流石のもこっちも意図的に作った状態とはいえ、テスト後のファストフード店で一人過ごしていた事を馬鹿にされるのを想像すると、少し気分が萎えてしまった(映画でも見ようと思ったがそういう気分じゃなくなった)ようです。悪口を言われるのは誰だって不愉快なものですからね。
とはいえ、喪4の時とは違って取り乱しはしません。「実際にはぼっちではない」という現状が伴っているからこそ、精神的動揺が少ないのは間違いないでしょう。
この回の最後のシーンに強く関連する一幕ではないでしょうか。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032546p:plain
そして映画を観るお金をすべてゲーセンに使う事にしたもこっちなのですが、(恐らく)KONAMIのDANCERUSH STARDOMをプレイしている二木さんと遭遇します。以前はSEGAのmaimaiをプレイしていましたし、ありとあらゆるゲーセンの機種を二木さんは光り輝きながらプレイしているようです(プレビュー画像参照)。やはり根っからのゲーマー気質なんですね。
「テスト期間中ぼっちであんな目立つ音ゲーやってるとかどんな奴だ…」とのもこっちのツッコミも入りますが、テスト期間中にゲームやろうとしている時点であまり強く言えないんじゃないかと思います。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032541p:plain
気を取り直してゲームをやろうとしたもこっちですが、視線の先にはパチンコに興じる吉田さんの姿が。ゲーセンでは基本パチンコしかやらないのでしょうか。
このシーン、もこっちが珍しく吉田さんのことを「吉田さん」呼びしていると思いきや、「パチンカス」のルビが振られていました。やっぱりナメてます

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032633p:plain
アニメのクレジットの「村人A」のノリで「ヤンキーBとC」呼ばわりされる杏奈さん麗奈さん。麗奈さんはともかく、杏奈さんは喪142で直接名前を教えてくれたのですが、顎にパンチを貰って脳震盪を起こしていたせいか覚えていないようです。

 

 

そしてガンダムならぬコンドムという名の、旬の過ぎた型落ちの対戦ゲームをプレイするもこっち(安くて乱入されないという理由)、無事にクリアを果たして席を立ちます。察するにそこまでやりこんでいないタイトルのゲームだと思うのですが、あっさりクリアする辺りやはりもこっちのゲームセンスは高いですよね。(ポップンミュージック然り)

 

f:id:ciel_machine:20190102032630p:plain
すると、格闘ゲーム筐体スペースの一角に人だかりが。
そこに目を遣ると、なんと二木さんの姿がありました。しかも16連勝。ギャラリーが出来るのも納得の実力です。音ゲーや射的のみならず、格ゲーも相当高い腕前を持っているオールラウンダー。言葉少なで、学校で誰かと行動している様子もない(寧ろ一人で人目も憚らずストレッチしている)二木さんがネズミーでゲーマー友達と行動していたのも、日常的にゲーセンでスーパープレイを発揮しているからこそ慕うゲーマーが自然と出来たと考えられますね。
その連勝数を見たもこっち、二木さんを称賛しつつ「騎馬戦のアレはフロック(まぐれ)じゃなく実力か」と二木さんの実力を認めるに至ったようです。もこっちもゲームの心得がある(ゲーマーである)からこそ、ゲームの上手い人を素直に尊敬するのでしょうね。

 

f:id:ciel_machine:20190102032618p:plain
自販機で(恐らく)コーラを買い一息つくもこっち。
…が、なんと目の前には吉田さん達が。名前を覚えられていなかった杏奈さんですが、「黒木だっけ?」ともこっちの名前を覚えているようです。一目置いただけはありますね。
続けて「テスト期間中なのに余裕だな」と声を掛ける杏奈さん。これは皮肉などは込められてなく、素直にそう思ったのでしょう(杏奈さんは率直な物言いを普段からすることがこの後のシーンからも分かります)。流石にヤンキー3人の相手は分が悪いのか、マックの店員相手でも震えなかったもこっちの声が震えています。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032727p:plain
すると、二木さんの姿を見つけるとコミュ力の高さで呼びつける杏奈さん。さっき声を掛けなかった委員長のシーンからすると対比的というか、こういう積極的に声を掛けられる環境に居る今が貴重なのだというか。もこっちもそれに気づいているとは思います。(「本来はあんなもの」という発言がそうです。)
……ここで二木さん、自販機でジュースを買わずに水筒を利用しています。恐らく貴重なゲーム代の為にこういった細かい食費は節約しているのでしょう。「このジュースで1クレできる」と脳内で換算するのは学生ゲーマーにはあるあるな話…ですよね?

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032724p:plain
ここで気になる二木さんのフルネームが明かされます。四季ちゃんとは素敵な名前ですね。「数字+き」で統一しているのは間違いなく語感を意識している感はあります。二木さんのご両親のセンスが光ります…娘がこの時期に(というより、恐らく年中)ゲーセンに入り浸っているのは承知しているでしょうから、結構自由奔放な人なのかもしれません。

 

f:id:ciel_machine:20190102032722p:plain
先程から麗奈さんのどストレートな物言いが光りますが、それに対してモノローグでもうまいこと返球できないもこっち。何故なら正論だからでしょう。

 

 

f:id:ciel_machine:20190103002546p:plain
……が、「バカなんか?」と言われた二木さん、「学年99位」と数字で反証します。これに対して露骨に「私より上だと!?」と不満げな表情をしているもこっちがとても可愛いですよね。最近は大人なもこっちを見る機会が多かったので、「むっ」とした表情のもこっちは久々に見る気がします。
杏奈さんの言う通り、恐らく年中ゲームに入れ込んでいるにも関わらず学業でも結果を残す二木さんはやはり完璧超人だと思います。

 

先程から吉田さんと麗奈さんが余り喋るタイプでは無い事もあって杏奈さんが会話を回します(二木さんを呼びつけてましたし、この中では一番コミュ力ありそうですね)。
杏奈さんに成績を問われたもこっち、「まんなか(よりちょい下)……くらい…かな」と返答します。ちょっとだけ見栄を張ってしまったようです。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032719p:plain
……が、ここでもこっちにとって衝撃の事実。なんと、同じくこの時期に遊んでいる(厳密に言うと杏奈さんは付き合いですが)吉田さん、杏奈さんもなんと真ん中ぐらいの成績のようです。括弧で省略された「ちょい下」を含めたら負けてるまであります。
それを聞いたもこっち、「このヤンキー共と同じぐらいの成績!?」「今はヤンキーもインテリなの!?」と衝撃を受けますが、原幕のレベルを考慮したとしても真ん中は別段インテリではないと思います。(ヤンキーの基準を低く見積もっているからこその発言でしょうが)


この事実に衝撃を受けたのか、教科別の成績を脳内で持ち出し始めるもこっちですが、杏奈さんは受験を控え、クラス中にピリついた空気が漂い始めたこの時期にゲーセンに訪れるもこっちと二木さんの姿を見て安心したようです。吉田さんがどこまで考えているのかは語られていませんが、杏奈さんはそこまで進学に対し熱心ではないようですし、麗奈さんに至っては専門学校に進学予定ということでろくに学校に来ていないようです。(どうやら単位が危ぶまれるほどに…)

 

f:id:ciel_machine:20190102032717p:plain
背景のキラキラが収まらない

 


一方、進路を問われた二木さん、「夢はプロゲーマー」と恥じることもなく言い切ります。「eスポーツに限らない ゲームならなんでもいいしゲームを仕事にできればなんでもいい(配信とか)」と言い切ります。
それを聞いたもこっち、「アホな夢を堂々と……」と内心思います。中学時代武器商人を堂々と公言していたのは置いておくとして、喪90「モテないし将来について考える」では「芥川賞取るかライトノベル作家になってアニメ化で儲ける」ことを実現可能で現実的と称しつつも、それを他言はしなかったので、堂々と夢を語れる二木さんに対して色々思うところがあるのかもしれません。ネモだって茨の道である声優を目指していることを公言するようになったぐらいですし、もこっちも作家志望の話を堂々と言えるようになる日は来るのでしょうか。
……個人的には二木さんのゲームセンスがあれば「アホな夢」ではないとは思います!

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032758p:plain
言われてみれば、目に影が入っている辺り玄人感が半端ない

 


すると麗奈さん、「なんでもってことはよー」と二木さんの言葉に反応し、賭けマージャンを提案します。メンツが揃ったことに喜びを隠せません。
……って、賭けマージャンはまずいですよ!

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032755p:plain
…と思いきや、賭け対象はアイスクリームという可愛さなのでした。
ここで意外にも二木さん、最下位に沈んでしまいます。圧倒的なゲームセンスを誇る二木さんとはいえ、確率操作出来る領域には至っていないことが分かり私も安心です。
「運のゲームは苦手」と言っていることからも、音ゲーや格ゲーといった運の要素が排除された実力が100%出るゲームを好んでいるのかもしれません。(格ゲーには読み合いの噛み合いはありますが)

 

 

そして、一人になるためにわざわざ断りを入れたにもかかわらず、結局は誰かと遊ぶことになってしまったもこっち。本末転倒になりながらも「まあ……楽しかったけど」という正直な気持ちを最後にちょびっと言うところは、喪109「モテないし雪の日の学校」「行かなきゃ良かった  とも思わないけど……」という言い方を思い出します。

すると、「お前今日はあいつら(田村さん・ネモ・吉田さん)と一緒じゃないんだな」と吉田さんにも指摘されるもこっち。それを「あの春奈さんが言うようにみんなは受験モードだし」と説明するもこっち。
よかった!名前を覚えて……春菜って誰だよ!!
……脳震盪状態で少しでも覚えていただけでも褒めるべきなのかもしれません。

 

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032750p:plain
すると吉田さん、(春菜には突っ込まず)振り返りながらこの一言。
……この言い方。なんというか、こう。デレすぎず、けれども……グッと来ますね。この関係、友達と言わずしてなんと言うのでしょうか。一人になろうとしても結局は他の友達の元に運命の糸が引き寄せてしまうとでも言うのか……今のもこっちは本当に恵まれているのだな、と思います。

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032748p:plain
ぽつん、と帰路につくもこっち。
このコマは広めに取られていますが、何も描写されていない空白部分が目立ち、どこか寂しい印象を強く読者に与えるコマです。「もこっちが一人になった」という部分を強調している効果がありますよね。
そして、本当に一人(ぼっち)になったもこっちの独白が始まります。

 

f:id:ciel_machine:20190102032940p:plain

 

 

 

f:id:ciel_machine:20190102032936p:plain
人と触れ合う暖かみを知り、孤独の寂しさに耐えられないようになったもこっち。
しかし、多くの野暮なことを言う必要はないかもしれません。
「それ以上のものを手に入れてるかもしれないけど」──
この一言に集約されているように思います。
ぼっちの寂しさに強いことよりも、暖かさを知った今のほうが幸せだということをもこっちは重々理解しているのですから。

 

 

今回のエピソードは「ぼっち」という嘗てのもこっちを象徴する要素と、現在のもこっちとの環境を真剣に描写した回であり、間違いなくそういう意味でも必要な回であったかな、と思います。
特に最後のコマが素敵ですよね。ぼっちであることが嘗てのもこっちのアイデンティティと言っても過言では無かったかもしれませんが、今はそれが変化していき、今のもこっちが在るのだと思わされます。
……委員長との邂逅もありましたが、あの邂逅が今後の展開に関係するのかどうか気になるところですね。