場末の。

ワタモテの感想記事がメインです。たまに他の話題を取り扱った記事も投稿します。

ワタモテレビュー喪152「モテないし(・_・)と」

3月7日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪152「モテないし(・_・)と」が公開されました!

 

 

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今回のタイトルには驚かされました。
(・_・)と。
(・_・)が何を指し示すのかは我々わたモテ読者からすると一目瞭然ではありますが、これまでのわたモテの話のタイトルの殆どが「○○する(動詞)」や体言止めという中で、格助詞の「と」で終わるのは恐らくは初であり、異彩を放っています。
「よつばと」のメインはよつばであるのと同じように、今回は(・_・)ことうっちーが久々にメインを張る回になりそうですね。

 

 

 

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今回のプレビュー画像はうっちーともこっちです!
「四回戦で待ってる」…なんだかこの1コマ、どことなくロマンチックさすら感じられますっ!

 

 

 

 

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「いつまでも一緒に。」
雌猫の間グループの結束力の固さについてはこれまでメインでスポットライトに当てられる事はなかったものの、ネズミー編等ではちょくちょくそれを感じさせるような一幕がありました。
陽だまりの中笑顔を浮かべる5人。しかしその中にうっちーの姿はなく……。
ここにうっちーが居れば微笑ましいのですが、5人との間に溝が生じている事が扉絵からも察されます。完全にうっちーの自業自得ではありますが……。
果たして今回のエピソード、どのように進んでいくんでしょうか。

 

 

 

 

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前回の喪151で勝利を収めた我らが3-5。
四回戦までは少し時間が空いているようで、トイレに向かうもこっち。
そこでプレビュー画像の一コマ。もこっちとのすれ違う最中、うっちーは……。


「四回戦で待ってる」


返答は待たずにその場を去るうっちー。まるでドラマの一幕かのようなシーンですね。
なるほど、ということはうっちー対もこっちとの卓球勝負、という流れになるんでしょうか。
とはいえわたモテは王道スポ根漫画ではなくギャグ漫画です。もこっちとのマッチングに失敗するか、強引にマッチングしようとしてまたしても困惑する雌猫の間グループの面々、といった展開も考えられる所です。

 

 

 

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そもそも対戦すら実現しないとは……。

 


なるほどそう来たかァ〜〜〜〜ッ。
しかもうっちー、もこっちへの愛の力でパワーアップなんて展開がある訳もなく、自分が勝てば四回戦進出という大事な場面で敗北を喫しています。実にこの辺がわたモテらしい……。
しかしワンサイドゲームになってもおかしくない卓球部相手に善戦している辺りうっちーの思いの強さは感じ取れます。

 

 

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他のメンバーは満足したように伸びをしたり負けたうっちーを労いますが、うっちーはどうやら四回戦に進出できないことに納得がいかない様子。なんでもなにも今負けたからだろ。
口を・皿・にして悔しがるうっちーと、やりきった感を漂わせる他のメンバーたち。

 

 

 

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やり取りの温度差が浮き彫りになる中、うっちーは遂に勝利に固執している理由を吐露してしまいます。

 

 

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それに対し、遂に怒りを顕にしてしまう黒髪パッツンさん。
「なつ」はグループを離れ、ネズミーで彼氏と一緒に回っていた子ですね。
察するに黒髪パッツンさんとなつはグループ内でも特に仲が良いのでしょうか。うっちーのわがままのために身を引いてくれたなつの好意をおざなりにしているのではないかと問い詰めます。
そして今まで溜めていた不満、こういう時に爆発しがちなんですよね。「そういえばあれも〜」と、過去に抱いていた不満点が噴出するのは女子のやり取りっぽいなという印象を受けます。
やはり宮崎さんだけでなく、これまでのもこっち絡みのうっちーの挙動には他のメンバーにも思うことがあったようです。

 

 

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それを「ケンカ? 絵文字らの乱か……」と日本の歴史上の出来事のような表現をしながら静観するもこっち。
黒髪パッツンさんは相当呆れているようで、保護者的側面の一番強い宮崎さんがうっちーを気にかけますが、その腕を引っ張ってその場から去ってしまいます。
そしてうっちーは体育館裏で一人座り込んでしまいます。

 

 

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ここ、少し驚きですね。「自分には関係ない」とネモ達の元に戻っても良いところを、うっちーを追いかけています。どうやら仲良しグループには似つかわしくないあの異様な雰囲気を見て、うっちーの事を少し気にかけているようですね。
しかもこの後「つい ついて来てしまったが……絵文字とは軽く話すだけの関係だしな……」「私が関われることはないか……」と身を引こうとするシーンが。
「私が関われることはない」という台詞ですよ。関われることがあったら介入して話ぐらい聞いてやりたい、という心配の現れから出た台詞です。
うっちーからの好意は言うまでもないほど巨大ですが、もこっちから見たうっちーはそれほど親しいという訳ではない中でのこれですからね……。もこっちの根の良さというか、優しさが滲み出ているんじゃないかと思います。

 

 

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しかし黒木家の遺伝子捜査官ことうっちーはもこっちの気配を見逃すことはありませんでした。

 

 

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少し空いた距離は心の距離でしょうか

 


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もこっちが見ていたとは露知らず、「友達とケンカ」したことを明かすうっちー。
3-5に頻繁に足を運んでいた理由として「2年の時同じクラスだった人いるし……」と真子の名前を挙げた後、「く……クロキ……もいるでしょ」と付け加えるうっちー。どちらかというと後者の方が完全にメインディッシュですが、秘めたる思いを明かすわけにもいかないうっちーとしては濁さざるを得ないのがやきもきしますね。
そして真っ先に名前の挙がる真子ですが、こういうところからも子の交友関係の広さというか、誰からも嫌われず平均して好感度の高いことが伺いしれます。

 

 

 

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もこっち絡みのことだと暴走して周りが見えなくなってしまううっちーですが、流石に今回の黒髪パッツンさんの言葉は相当響いたのか「私にとってはどちらも大切な友達だったけど、片方ばかりを見ていたのかもしれない」と真理に辿り着きます。
雌猫メンバーはうっちーのことをよく気にかけているのに、うっちーはもこっちの方へフラフラ…双方向の関係ではない時点でいつかはこうなる時が来るのは自然なことなのです。そしてそういう事をちゃんと描写するのがわたモテの良いところですね。
そのうっちーの気づきに対し、「シンプルな顔してても女のグループだからな……」とそのシンプルな楕円形の瞳を眺めながら女子グループ内の面倒臭さを察します。
そして雌猫の間グループには本当の友情があるのではないか、という事も察し始めるもこっち。

 

 

 

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喪129より。「上辺だけ」ではこの台詞は出てこない。

 

 

「上辺だけのもの」というのはまさに南さんとサチノリマキのグループのような関係のことを指すのでしょう。学校内で生き残るために……孤独にならないために作られた友情ではないということです。
もこっちはリア充の友情というものはそういうので満ちている(内心はバカにしあってるだとか)、という偏見を今まで持っていたんでしょうね。

 

 

 

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そしてその仲の良さを証明するかのように、黒髪パッツンさんことかよさんが謝罪に訪れます。
不和が生じてもすぐに謝って改善できるというのが長続きするグループの特徴ですよね。
キラキラと輝くその仲直りのやり取りを見たもこっち、「友情が深いのか浅いのかよくわからん」という感想を持ちながらその場から去ろうとします。
居ても気まずいというのもあるでしょうし、うっちーの問題が解決されたのならもういる意味もないからでしょうね。
……が、それを引き止めるのはうっちー。まさかですが……。

 

 

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やってしもうたー。

「恋は盲目」なんて言いますがまさにその通り。文字通り好きな子が出来たら周りが見えなくなってしまうタイプのうっちー。
仲直りして今後雌猫の間グループで仲良くやっていこうね……という雰囲気が漂っていた(しかも関係を継続させるために謝りに来た)にも関わらず、グループの和を考えないこの言動に不穏な空気が漂い始めます。
とはいえ、これまでうっちーにその気質があるのは何度も描写されてきたことで、この謝罪を通してうっちーの人格が変わるなんてことは非現実的ですから、この言動も納得がいくものです。ちょっと間は置いてほしかったけど……。
そして(絵文字のことよく知らんがもっと空気読めるやつじゃなかったか?)というもこっちのモノローグが示す通り、普段のうっちーは至って正常です。昔のうっちーのことを「キョロ充」ともこっちは称したことがあるぐらい、周りの行動に合わせるように動いています。
そんなうっちーを狂わせたのはそれを疑問に思っている本人、黒木智子なのですからなんたる皮肉でしょうか。(本人に自覚はない)

 

 

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言葉の暴力による痛みを知っているからこそ、握りしめた左拳が震えてしまう。

 


そして「ここは著しく成長している私が空気読んでやるか」という鼻につくモノローグと共にもこっちが一肌脱ぎます。(事実ですが)
人を突き放す言動というか、それを直接相手に伝えるのはとても難しいことです。例えそれが相手のことを慮るためのものであっても「心が痛む」のです。
この辺りのもこっちの言動や行動は、この演技力はともかくとして、「友達ってほど仲良くない」相手のために嫌われ役になろうとするのはもこっちの優しい性格がよく見て取れますね。

 

 

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……が、上げて落とすのがわたモテ流。「自己犠牲で人助け」という数年前に流行った学園モノラノベの主人公ムーブに酔いしれているようです。この辺りが我々のよく見慣れた「もこっちらしさ」が出ている部分で、優しさとの丁度いいバランスが取れた部分だと思います。
そしてもこっちの思い描くこの言動に対しての雌猫の間グループメンバーの反応というのは単純で安直すぎる(ラノベ原作のアニメを見て想定していて、実際の経験に基づくものではないから)ものであって、対人スキルの未熟さが現れているのかなとも思います。
しかし「嫌われる勇気」という、誰もが持ちえないものを持っているのは本当に素晴らしく、そこがもこっちの強さでもあり魅力なのかなと思います。嫌われる勇気を持っている人間というのは本当に少ないのです。

 

 

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……そしてもこっちの想定どおりに行くことはなく、真に受けたうっちーは本気でショックを受け、落涙。無言でその場を去ります。
もこっちの計算には「うっちーがそれだけ自分のことを本気で好きなのか」という大事な要素が抜けていたのです。
予想外の反応に目を丸くして呆然とその背中を見送るしか無いもこっち。
……やがて、雌猫の間メンバー全員がうっちーに対して今まで抱いていた違和感を口にし始めます。
修学旅行、2年の体育祭、クラス替え、打ち上げ、大学の時……ここにきてその議題が噴出したということは、全員が「うっちーの様子がおかしい」という事を察しつつも、それに対してうっちーが居ない間に陰口を叩いたりせず胸のうちに秘めていたということでもあります。

 

 

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そしてうっちーのことを全員がよく見ていたからこそ、うっちーがおかしくなる原因がもこっちにあるということに気づくのです。

 


そして刑事ドラマ宛らの聞き取り調査が始まります。
雌猫の間グループメンバーはもこっちのことを「例のあの人」と名前を読んではいけないあの人みたいな呼び方をしていた訳ですが、いよいよまともに名前が呼ばれる時が来たんですねえ。
いつから仲が良いのか、話すようになったきっかけは、うっちーの印象(どんな感じか)は…矢継ぎ早に飛んでくる質問に答えるもこっち。

 

 

 

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その会話の中で、過去にうっちーからチョコを貰ったことを何気なく明かすもこっち。
このビックリしすぎている宮崎さんの表情が面白いです。チョコを貰ったエピソードを明かすだけでこんなに驚くとは。
……というのもやむなしでしょうか、「ちょっとだけ気になる奴」なんて表現をしたら、うっちーが恋愛的に好きな人というのを連想するのは自然なことです(しかもバレンタインデーに、気合の入れた包装で、相手の名前を出さないというガチっぽい段取りを踏んでいるのです)
そして雌猫の間グループのメンバーは、遂にうっちーがもこっちの事が好きなんじゃないか、という真理に辿り着きます。彼女らの予想は友達として、ですが。(真実はともかくとして)

 

 

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そして著しく成長はしているものの、人間関係のやり取りでは明らかにもこっちよりも習熟している雌猫の間グループメンバーはもこっちの演技を見破っていたのでした。うっちーだけ真に受けたところを見るとうっちーはピュアすぎる面があるのかもしれません。またはクロキ補正でしょう。
それに続けてかよは、なんと「うっちーと仲良くしてもらっていい?」ともこっちにお願いをします。
少なくとも、うっちーにとってのもこっちは自分たちに比肩する、もしくは特別に好きなのだということをメンバー全員が察し、もこっちは特別枠だという風に認定したということなのでしょう。しかもこの後LINEも交換しちゃってますから、「例のあの人」からは考えられないほどの格上げです。

 

 

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かわいい

 


一方、もこっちのバレバレ演技ですっかり傷心モードのうっちー、涙ぐみながら飛んできたLINEを確認し、雌猫の間グループメンバーの元へと戻ります。
そして先程からだいぶん察しのいい眼鏡さんはうっちーがさぞ喜ぶだろうともこっちに「うっちー」呼びを指示します。

 

 

 

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効果はばつぐんだ。

 


そして、雌猫の間メンバーはうっちーの付き合いの悪い理由が「3-5の人達と遊んでいる方が楽しいのかな」と思ってしまっていたと口にします。
雌猫の間グループはかなりの仲良し集団ですので、他の集団に属する、他の集団と遊んでいた方が楽しいというのはグループメンバー全員への裏切りであり、それに対して良い心象を持たないのは確実です。特に協調性を重んじる女子のグループですから。
ですから、うっちーが「3-5(集団)の方が心地良い」となっていると、雌猫の間グループのメンバーとしては(うっちーが変な行動をしても見逃してあげるぐらい優しくしているのに)不満を抱いてしまうのです。
しかし、うっちーが3-5に頻繁に通っている理由が個であるなら……特別な一人に対してのものであるなら、別のグループに属そうとしている訳ではないので、裏切りではないのです。例を挙げるなら加藤さんにとっての夏帆でしょうか。
それがうっちーにとってはもこっちだった、と。「うっちー ただ黒木さんと仲良くしたいだけだったんだね」と宮崎さん。これまでうっちーを献身的に介護フォローしてきた宮崎さんも少し安心しているのではないでしょうか。

 

 

 

 

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今まで隠し通してきた思いを見抜かれてしまったうっちー。果たして……。

 

 

 

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駄目でした。

これまで照れ隠しで「キモイキモイ」を連呼してきたうっちーが素直にそれを認められるわけもなく、誤魔化そうとしてしまいます。
うっちーがもこっちへの好意を素直に認めたのはコワリィッチ以降からで、それ以前は「キモイ」とこっちへの好意を自分自身にも誤魔化してきました(モノローグで)。まだ他人に対してそれを認められるほどには至っていなかったということなのでしょう。
そしてこれが照れ隠しであることは雌猫の間メンバーは容易に察しているとは思いますが、言われた方のもこっち(陰キャ)にとって「キモイ」は禁句。

 

 

 

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これがもこっちの怒りを買い、「この絵文字が!!」と罵倒し走り去ってしまいます。「絵文字」が罵倒の言葉なのかは分かりませんが…(随分お可愛いこと…な罵倒ですね)
もこっちとしては他人のために大分頑張ったにも関わらず「キモイ」と罵倒されてしまったわけですから、このリアクションをとってもやむ無しでしょう。

 

 

 

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そしていつもの「なんで!?」が飛び出して終了……。
うっちーともこっちの悲しいすれ違いが起きる中、宮崎さんとかよのリアクション(汗)が可愛らしいです。

 

 

 

 

前回の喪151の終わり方が「実は卓球の勝負よりも目先の勝負にお熱だった」という二人の共通点を示すものでしたが、今回は鈍い二人がお互いにすれ違い合うというオチに着地してしまうという…。
これもある意味では似た者同士…と言えるのでしょうかね?