場末の。

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ワタモテレビュー喪151「モテないし勝利する」

2月21日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪151「モテないし勝利する」が公開されました!

 

 

www.ganganonline.com

 

 

「友情、努力、勝利」の三本柱がジャンプ漫画のキーワードではありますが、わたモテにおいてこの3つのキーワードは最初は縁のないものでした。
しかし最近のわたモテには確かに「友情」が存在しますし、もこっちは自分を変えようと「努力」していると言えなくもありません。そして遂に、今回のタイトルを見るに「勝利」する時が来たようです。実質ジャンプ漫画です。
果たして誰が何に勝利するのか…前回は「栄冠を捧げる」などと華々しいイメージのタイトルでしたが、実際にはもこっちが蟻の巣をほじくって終了というオチだった為全く予測が立てられません。

 

 

 

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今回のプレビュー画像はもこっちと田村さんです!
どうやら相手を変えて卓球デート継続という流れのようです。

 

 

 

 

 

 

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……!?!?!?!?


な、な、な、なんでしょうか。
いきなり印象的な扉絵が出てきたので驚いた方は多いのではないでしょうか?
基本的にわたモテの扉絵は引きの画が多く、このように一人をドアップで映したものはかなり珍しい部類に入ります。
どこか80年代後半〜90年代前半のアニメヒロインを彷彿とさせるような淡いトーンで描かれた田村さんが印象的です。
どこか憂いを帯びたような表情ですが、「私の中の気になるあいつ」がそれを引き起こしているに違いないのです。(編集さんが考えたアオリ文ですかね?)

 

 

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扉絵は半分予告のようなもので、今回のエピソードの主役を田村さんだと告げているようなものです。
田村さん、棒立ちのままラケットを振り2回戦も1年生相手に敗北。
真正面しか向いてはいけない縛りをしているのかと思うぐらい微動だにしません。

 

 

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ついでにネモに煽られます。(この口ぶりからしてネモはちゃっかり勝ってそうです)
この様子を見る限りでは、前回の喪150の「3年生に1年生が負けるのはどうかな」という清田くんに対しての発言ですが、田村さんにわざと聞こえるように大きめの声で言った可能性が高そうですね。
が、そんな煽りを受けても無表情を保ちつづける田村さんでしたが……。

 

 

 

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前回は「一回戦は勝った」と自分が負けたことを真子には隠していた田村さん。
やはり、表情にこそは出しませんが内心では一人だけ負けていることを気にしていたようです。相変わらずこういうところが可愛いですよね。
しかし練習場所が無いという問題が二人の前に立ちはだかります。前回の卓球部から一台借りるというのは平沢さんの対男子スキルカンスト能力があってこその為せる技であり、常人には為せない技なのです。
……が、もこっちの脳裏に過ぎる第二の選択肢。それは……。

 

 

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そう…ビリヤードや卓球台等が置いてあるネカフェでした。
そしてもこっちはくい、と田村さんの裾を引っ張り、田村さんが卓球を利用したいという旨を店員に告げます。
……と、ここで何故もこっちが「裾を引っ張ったのか」ですが、幾つか解釈のしようがあると思います。
勿論この所作は「ゆりが言えよ」という意思を示すためのものであることは疑いようがありません。
つまりこれは「もこっちが店員と話すのが嫌(面倒)で田村さんに丸投げした」とも取れるのですが、私的には別の意味があるんじゃないかなと思っています。
というのも、昨今のもこっちは、喪147で描写されている通りファストフード店の店員に円滑に注文することができる程対人能力が上がっています。
しかもこの後「会員なの?」という質問に対し「満喫で何回か使ったことある」と答えていますから、これまで何回かこの店を利用した会員である事は明らかです。つまり少しは慣れている訳です。
ですから、もこっち目線から考えると田村さんの都合で今回ここに来て卓球に付き合わされる訳なんですから、「卓球やりに来ました」ってぐらいお前が言えよ、という意味なんじゃないかと思います。
また、「初めてなんですが」という台詞に対し店員が会員登録を促しているので、この店は会員制であり新規登録作業をしないといけない可能性が高く、会員登録のやり取りへ円滑に入る為に言わせた可能性もあるかなと思います。もしそうならもこっちの成長っぷりを更に感じ取れますね!

 

 

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そして1階の満喫目的でしか訪れたことのないもこっち、「2階初めて来た…」の言葉通り、「卓球はあっちだね」とこの施設を初めて利用する田村さんのほうが先に卓球台のある場所に気づくという描写もあります。
2階の趣は主に遊技場であり、一人で遊べるものが殆どないため、ここをもこっちが訪れるということは一緒に訪れる友だちができた証拠でもあるんですねえ。(感慨深げに)

 

 

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そして練習へと入るのですが、田村さんは運動が苦手なハズのもこっちが卓球が上手い理由が気になる様子。
確かに、もこっちが得意なスポーツはこれまで長距離走ぐらいしか言及されていないのに、これまで1年生相手に無敗で来ている訳ですからね。

 

 

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ここで明かされる中学時代の体育の自由時間の過ごし方。
「ゆうちゃんとかと」卓球をやっていたからという理由でしたが、それほど頻度は多くなかっただろうに、実は智貴と同じく球技の才能があったりするのかもしれませんね。同じ黒木の血は通ってるわけですから。
それと、さりげなく「とか」と小宮山さんに付いているのが笑いを誘います。前回は「マジなの」、今回は「とか」と別称が2話だけで増え続ける小宮山さん恐るべし。

 

 

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そして前回花を抜くときも根から引き抜くというパワーを見せつけていた田村さん、卓球もパワープレイ主体らしくラリーが続きません。
……これ、強い言葉をぶつけてしまって会話のラリーが出来ないとかそういうスタイルが反映されてるっていう暗喩じゃければいいのですが…。

 

 

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しかしアドバイスを受けた後はラリーが少しは続くようになった様子。
少し喉が乾いたタイミングでネカフェなのでドリンクバーを利用する二人。卓球やりながらコーラを飲むことを「デブのスポーツ感ある」などと他愛のない会話をしている間に、二人が利用していた卓球台の隣にリア充カップルが訪れます。
二人が静かにラリーを続ける中、カップルの馬鹿笑いが響き渡ります。

 

 

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どうやらカップルにMPをドレインされ尽くしたようです。
そしてもこっちは田村さんをダーツに誘います。
「卓球の練習は?」というもっともな田村さんの質問に対し「明日の卓球の勝ち負けよりあのカップルに勝たないと」などとのたまうもこっち。何のためにここ来たのか忘れてしまったようです。
「あいつらに勝つには私達がもっと楽しめばいいと思うんだ」とは言いますが、卓球台から逃げた時点で負けというか現実逃避というかそんな気がしてなりません。
しかし、明日の練習の為に来たと言うよりは二人で遊ぶ良い機会になったと考えているからこそこの発想に至ったのかなとも思います。もこっちにとっては明日の勝利なんてのは結構どうでもいい話でしょうし、今を楽しんでいる証拠でしょう。

 

 

 

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そしてダーツのルールもよくわからないまま興じる二人。お互い素人の状態でなんとなく投げ合います。
もこっちは至って穏やかな投げ方なのですが、一方の田村さんといえば弾丸のように矢を「ドン」と衝撃音が響き渡るほどの勢い(もこっち曰く「ザコモンスター殺せるぐらいの投擲」)で投げ込みます。太鼓の達人をダーツの矢でやっているのかと見紛うほどです。
その姿を「相変わらず近距離パワー型精密動作性E」と評するもこっち。今アニメでジョジョ5部やってますもんね。

 

 

 

 

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501ゲーム(持ち点の501点を最初にちょうど0点にしたほうが勝ち)のルールすらも分からないまま始まった二人のダーツでしたが、「私のが点数高いよ」などとやはり負けず嫌いな一面を覗かせるゆりちゃん。
二人の戦いの行方は果たして……。

 

 

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なんと、精密動作性Eの田村さんの勝利。
先程の卓球も指摘されてからラリーが続くほどが改善していたので、田村さんは言われたらすぐに改善できるタイプなのかもしれません。
二人共負けず嫌いなのがよく分かるこのシーン。田村さんの表情筋は10gとの評判ですが、このシーンでは少し綻んでいるのが分かりますね。可愛いです。
……そうこうしている間にカップルは去ったのですが、なんだかんだで動きっぱなしの二人は休憩することに。

 

 

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二人は一階の満喫に訪れたらしく、静かな時間を共有し始めます。
「二人だとこんな大きい席だって初めて知った」とぽつりと零すもこっち。そう…今までは一人でしか来たことがなかったですもんね。
そしてスポーツよりも漫画をだらだらと読んで過ごすのが楽しいと改めて実感するもこっちですが、「私はダーツもそれなりに楽しかったけど 智子にも勝てたし」と言う田村さん。
勝負事であるあるなのは「勝ったら楽しい、負けたらクソゲー」というやつで、田村さんのダーツもその例には漏れないことでしょう。

 

 

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さらっと出てくるこの台詞にはほんの少し驚かされます。
もこっち曰く「浮かれた大学生のやる」イメージしか抱いていなかったダーツ、昔なら偏見まみれで唾棄するような感想を述べてそれで終わりだったところを、田村さんと来たお陰で経験できて良かった…と〆る辺り、大人な感想と言いますか…。
それを受け、真子、吉田さんのイツメンも連れてこようと提案する田村さん。

 

 

 

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……と、そこで終わるのならいつもの会話というところなのですが、これもまた驚きです。
最近の田村さんなら言っても納得できるのですが、ネモ、加藤さん、ゆうちゃんといった「智子とは仲良いけど自分とは距離のある」メンバーも呼んで良いと自発的に言うんですから。
この前の台詞は「今度真子と吉田さんも〜」とスラスラ言っているのに対し、この台詞は「……智子が連れてきたかったら」と三点リーダーからのスタート。本心では気乗りのしない提案であることが察されます。
それに対してのもこっちの回答は……。

 

 

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恐らく100点を越えて120点の回答ではないでしょうか。

 

 

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度々このブログでも言及しているこの田村さんのモノローグ。
なんだかんだで、遊びに来ているのに話もせず二人で漫画を黙々と読み合うというのは、相性やそれぞれの気質がうまく噛み合わなければ実現しない空間です。気のおけない関係というやつですね。
つまり田村さんともこっちという二人だからこそ今のこの時間がある訳で…。

 

 

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それを受けて田村さんもこの表情。台詞やモノローグは必要ありませんし、私が長々と解説を書くのも野暮というものです。
このコマが今回のエピソードの華であることも言うまでもありませんね。

 

 

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……と、何かの音を敏感に察知しすばやく起き上がるもこっち。
どうやら先程の卓球をしていたカップルがイチャコラし始めたようです。
「なんかエロい空気になってる!!」と勢いのあるヒソヒソ声を出すもこっちですが、田村さんは「…………」と長い無言。先程までの折角の空気が台無しです。
そこでもこっちは秘策を考え出します。

 

 

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元ネタの「対魔忍」よりもヤバそうなタイトルなんですが……。

 

どうやらリア充相手にはひたすら勝利を重ねないと気がすまない性質のようです。
しかしもこっち、自分が何を言っているのか分かってるんでしょうか。多分分かってないんでしょうね。
田村さんももはやツッコミだとかそういったものを一切放棄して二人でエロ動画を鑑賞し始めます。

 

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一つのイアホンを二人で共有するというのは良く「尊い」と言われがちなシチュエーションですが、何故でしょうか。このコマから尊さを感じないのは……。

 

 

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そして遅れてようやく勝利条件を満たせないことに気づいたもこっち(田村さんの方から遅めのツッコミが入ったのかもしれない)。
巻かれたイヤホンコードをほどき、隣の部屋に接する壁にヘッドホンを押しあてエロ音波攻撃を仕掛けますが反応がありません。

 

 

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一方の田村さんもこのバカげた要求に「バカだな……」と内心思いながら付き合ってあげるの良いですよね。止めはしないっていう。
が、この選択が悲劇を呼ぶことになり……。

 

 

 

 

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上のコマで抜けかかっていたイヤホン端子が抜けてしまいます。
 

 

 

 

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これには流石の二人も赤面しながら帰宅します。店からしたらテロリスト二名の並びですからね。下手したら出禁喰らっちゃいますよ。
そして本題である卓球の練習が結局出来なかったことを引きずる田村さんですが、一方のもこっちはカップルの邪魔を出来たので私達の勝ちと言い張ります。何の勝負だ。

 

 

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喪17(モテないし握手会に行く)での思い出をさらっと語るもこっちですが、実際にはその音源を撮るまでの経緯とその内容が余りにも酷すぎるので、「エロい音源」の一言では語り切れない重みがあるんですよね。また、喪97「モテないし学食で食べる」でも「プロ声優と(エロ)ドラマなら制作したことならあるかな」という台詞も言っていましたし、どうやらもこっちの人生の中でも相当の忘れられないトラウマだった事が伺えます。
実際この後のコマでも「あの時は死にたくなったけど今回はそこまで恥ずかしくなかったな 二人でやらかせば恥ずかしさも半分なのかもね」という感想が入ります。
先程私は「店から見ればテロリスト二名」と言いましたが訂正します。もこっち単独の自爆テロです。

 

 

 

 

 

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そして球技大会二日目。運の絡まないゲームで負けるビジョンが見えない女こと二木さん、相変わらずの活躍を見せなんと我らが3-5は三回戦も勝利してしまいます。

 

 

 

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今回のスコアは3-2で二人負け。どうやらもこっちの相手は卓球部だったようで、流石に負けを喫してしまったようです。こういう会話っていかにも球技大会で学生がやってそうな会話というか、リアリティがありますよね。
そして田村さんはまた今日も負けてしまったようですが、「おしかったねー」とネモに声をかけられているので、もこっちとの特訓で優しくラリーすることを覚えた成果なのか前よりも善戦する事ができたようです。

 

そんな言葉を掛けられた田村さんでしたが、「根元さんってダーツやったことある?」と突然卓球に関係のない話題を問いかけます。
この時点で多くの読者は「あ……」といつもの流れを察したことだとは思います。
そして矢継ぎ早に「誰と?」と一緒にダーツした相手の話題に発展させ、

 

 

 

 

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この表情である。

 

「私の勝ちだ」と言わんばかりの左のコマの表情が可愛らしいですが、余りにもの子供じみた部分での張り合いネモも呆然としているのが笑いを誘います。この球技大会中はネモにずっと煽られっぱなしだったので、何かでカウンターを仕掛けたかったんでしょうね。そこもまた可愛いんですが。
それにしても右側のコマの表情も見てくださいよ。こんな晴れやかな田村さんの表情、今まで見たことないですよ。浄化されたって感じです。

 

 

オチとしては、もこっちが卓球の勝負よりもカップルとの勝負に拘ったように、あれだけ卓球の練習をしたがっていた田村さんも卓球の勝負よりもネモとの勝負にお熱だった、ってことなんですよ。
ですから私は、もこっちと田村さんの二人はすごく似た者同士なんだよ、というテーマがこの回にはあったんじゃないかな、と思います。「ゆりもこ回」の一言で収めるには勿体無い、二人の関係性と性格がよく現された回であって、とても面白い回だったと思います。