場末の。

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ワタモテレビュー喪138「モテないし大学に行く」

7月19日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪138「モテないし大学に行く」が公開されました!

 

 

www.ganganonline.com

 

 

 

祝!「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」13巻発売!!!

 

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さて、最近の気候も単行本も激アツさることながら本編も激アツ必至のGW編に突入です。
田村さん、ネモ、加藤さんの三本柱と言うべきでしょうか、とにかく美少女3人と毎日入れ替わりでオープンキャンパスに行くとんでもないイベントが待っています。
さて、今回のエピソードでは初日の田村さんとのイベントなのですが……そこには多くの読者が想像していなかったであろうとんでもない展開が待っていたのでした。

 

 

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今回のプレビュー画像は田村さんです!
ついに田村さんが正直な気持ちを吐露して……!?

 

 

 

 

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心なしかアオリ文のテンションが高い。編集さんも田村さんの久々の私服にドキドキしているのだろうか

 

遂に訪れたオープンキャンパス一日目……。
スマホで連絡を取り合い、6号車の前に立つもこっち。ドアが空いた先に居たのは田村さん。
「おはよ」という何気ない挨拶に「お… おお」と返すもこっち。
ですが車両内に他の人気はなく、田村さんの傍にはいつも居る真子の姿さえもありません。もこっちがそのことを問いかけると、田村さんは真子が2年の時にもう行ったことを告げます。

 

 

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何気ない会話のやり取り。
二人共こういった「学校を見学する」という事をやってこなかったのは、後々のシーンにも出てきますが二人とも「この学校に行きたい」という強い思い・動機を抱いてこなかったのが共通しているからだと思います。
実際に今行こうとしている大学も、どちらかと言えば「近いから」という消極的な理由による選択な訳ですから。

ですが、そんな二人の似ているとも言える気質が、この田村さんの「……一緒だね」という、何処か嬉しい感情を滲ませるセリフを生み出しているのであればとても幸せなことですよね。

 

 

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そして今回の扉絵。
窓ごしの流れ行く景色と、手前の隣り合わせの二人。
この扉絵で着目したいのは、二人とも違う方向を見ているということでしょうか。
つまり、二人は車両内で会話をしていない「会話をしなくても気まずいと思わない」「無理に話す必要がない」二人だからこそ成立する空間です。

 

 

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喪112でチョコ作りをしている際、田村さんはもこっちのことを「無理して話さなくていいから楽」と評しています。まさに気のおけない関係──そういった時間が許されるのは相性の良さ故と言えるでしょう。

 

 

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二人が訪れたのは「千葉西大学」。おそらくは千葉大学がモデルだと思われます。
国公立で偏差値が高めの大学ということもあり、もこっちも「勉強しないで入れるところじゃないんじゃ…」と言葉を濁しますが、田村さんは「この前根元さんや加藤さんの志望校聞いて……」「私達も少しだけ上を目指さなきゃいけないと思ったから」と返します。
二人に感化されたのか、それともライバル心がくすぐったのか、或いは両方か。田村さんの心の奥で少し炎が燃えているようです。
それにしても「私達も」という主語が良いですね。もこっちを自然に含んでいるのが面白いと言うか、「もこっちと同じ大学に行くのは決定事項である」という意識があることが分かります。(前回のエピソードで「同じ大学に行くって言ってたでしょ」と思い込んでいたからこそなのでしょう)

 

それに続き、文系学部でも教育学部であればまだ偏差値的になんとかなると前向きな田村さん。それに対して「教育学部ってなに?」と首を傾げるもこっちでしたが……。

 

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「こいつが先生に……?」と言わんばかりに無言になるもこっち。それから小学校教師になった田村さんを想像します。

 

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恐ろしく早い肘打ち……俺じゃなきゃ見逃しちゃうね

 

 

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過去に肘打ちされた経験が脳裏に焼き付いているのか、子供の顔面に肘を入れる田村さんを想像して「絶対向いていないだろ」と汗を流すもこっち。

余りにも想像が極端すぎますが、確かに田村さんが言うことを聞かない子供相手にうまく立ち回る姿が全然想像できないのは分かります。
そして「そういう黒木さんはどうなの?」と聞く田村さんに「私先生は無理だ」と返すもこっち。「私と言っていますが、まだ田村さんは「無理」と言ってないのがポイントです。

先生になるのが無理な理由として「まず小学生(ガキ)は好きでも嫌いでもないけど好きではない」と、好きではないことを強調するもこっち。

 

 

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小学生には「ガキ」とルビに振られていましたが、反抗期真っ盛りの中学生には「クソガキ」とのルビが。
いつものもこっちの世間に対する偏見が炸裂しているコマ──と言いたい所なのですが、もこっちの言い分もすごく分かる(滅多に同意しないゆりが以下略)のが辛いところです。

 

 

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そして「道いっぱいになって歩く、絶対によけない女子中学生」を同調圧力の一例として紹介するもこっち。
恐らくはもこっちの実体験に基づいたエピソードなのでしょうが、このグループ内での格下になるという情報は何処から持ってきたのでしょう。やっぱり匿名掲示板知識なのでしょうか。
そんな女子中学生への恨みを募らせるもこっちに対して「そう」の一言で済ます田村さん。続いて、

 

 

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もこっちとの共通点をまた見出す田村さん。ですがその共通点はどこまでも後ろ向きです。
……しかしこう、大学の選択理由とか、学部の選び方(偏差値)とか、良い意味でリアルさを感じるエピソードです。
高校生全員がかっちりと将来の夢と目的意識を持って進路を選択している訳ではありません……というより、そういう高校生の方が少ないように感じます(後々もこっちの台詞でも言及されます)。
現代日本はとりあえず「大学は出といたほうがいい」という風潮から専攻したい学問もないまま大学に入る「なんとなく」のレールに載せられる社会構造ですからね……。
思えば漫画でここまで学生の進学への意識の低さというか、リアルさを描いているのもあまりないですよね。

 

そして真子が何故この大学に来たのか、教員になりたいのかを疑問に思ったりもしつつ(このセリフが出てくるということは、真子も教育学部を見に来たのでしょうか?)、田村さんともこっちは折角来たからという理由で広々とした大学構内を歩き回ります。
ダミーサークルへの警告の看板や学生相談室の看板などこれまたリアルな看板を横目に、もこっちは建物の多さと構内の広さに感嘆し──そして何よりも思いの外学生が地味な上に静かであることに驚きます。
それこそ大学や学部によりけりな部分だとは思います……たぶん、加藤さんとオープンキャンパスに行ったときは結構面食らいそうですね。

 

そして教室変更の通知が張り出された掲示板を見つめながら、田村さんは「やりたいことや勉強したいことある?」ともこっちに問います。
恐らくは掲示板に学問の名前が列挙されていたからこそ、ふとそういった言葉が口に出たのでしょう。
それに対してのもこっちは「ない」と即答。それに対して「だよね」と返す田村さん。本当にどこまでも着飾らない二人だと思います。

それに続けて、田村さんも同じ思いを抱えていることを告白し、ネモや加藤さんのように行きたい大学がなく──あるとするなら、真子・吉田さん・もこっちと同じ大学に行きたいという、ブレることのない四人への想いを口にします。
ですが、大学の選択は自分の将来を大きく左右します。「そんな選び方じゃダメな気がする」という危機感も口にする田村さんでしたが……。

 

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もこっちはそんな田村さんの選択を肯定します。
遊ぶために大学に行くやつだとか、サークルとかで遊んでるやつのほうが案外就職したりするんだから、友達で大学を選んでも良いんじゃないか……と。
とても怠惰で適当で、真っ当なアドバイスとは言えないかもしれません。
ですが、こういった肩の力を抜いてくれるようなことを言ってくれる人というのは貴重なような気もします。
「そんなんじゃダメだよ、もっとしっかりしろよ」と言ってくれる人間は結構居るかもしれませんが、自分の適当さも包み隠さず、相手の適当さも肯定するのは距離感が近くなければ出来ないことですからね。(それの善悪はともかくとして)

 

 

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とはいえ、周りの生徒の雰囲気も考慮した上で「まあこの大学は真面目に勉強する奴が行くところだと思うけど」と付け加えるもこっち。
すると、田村さんはそんなもこっちの言葉の数々に「今日見に来てよかった」「黒木さんのお蔭で少し楽になった」と伝えます。
何が良かったのかと言うと、大学が実際に見れて良かったのではなく、大学見学というイベントのおかげで、もこっちとこの一連のやり取りをすることができたのが良かったのです。
田村さんは結構一人で抱え込むタイプでしょうし、こういった悩みや思いは中々吐き出せない性格でしょう(焼き肉回では一言も不満を発さず帰宅しようとする、コワリィッチや喪136では「自分と黒木さんは違う」ことを口に出さずに落ち込む等)。
ですからそういう時に周りが汲み取ったり、こういった機会にふと口から零してしまった時に「それでいいんだ」と言ってあげる存在が居ること、それが気のおけない存在であるもこっちだったことは幸福だと思います。

 

 

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そしてあっという間にお昼に。二人はにんにくスープと鮭バターが売りのレストランえ●すやに訪れます。
「お昼はここにする」(修学旅行(喪76)の時と同じセリフとアングル。ただ今回は親密度が上がった結果噛んでいない)と予め決めてきた様子のもこっち。「有名な所なの? 調べてきた?」と問いかける田村さんに事前に場所のリサーチをしていた事まで告げます。
……が、修学旅行の時と同じく田村さんに注文させているのがらしいところです。
そして鮭バターを口に運ぶ田村さん。修学旅行の時に「芸能人がうまいと言ってた」蕎麦屋では微妙なリアクション(「うん…」)を返していた田村さんでしたが……。

 

 

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その美味しさに田村さんの表情筋も可愛く動きます。どうやらもこっち、リベンジ大成功のようですね。
店に入る前の構図が同じこと、注文をまた任せたこと……食事までの流れは前回の蕎麦屋と同じような展開でありながら、その結果が失敗から成功に変わっているのが何かのメタファーのように感じます。
もこっちは田村さんの反応を見てぱっと表情を明るくして、「ほら みろ おいしいだろ!」「修学旅行からメシマズの黒木みたいに思ってたろ」メシマズが二つ名になっていたと思い込んでいる被害妄想っぷりを発揮しながら汚名返上できたことに喜びます。はしゃぐもこっちが実に可愛いです。
そしてこの店を選んだ理由は孤独のグ●メで紹介されていたからのようです。なるほど、テレビで偶然見た芸能人よりもゴローちゃんの方が信用できるのは納得です。

 

続けて「これで修学旅行の借りは返したな」とどや顔のもこっちに対し、田村さんは「そういうことなら吉田さんを連れてくればよかったね」「吉田さんの修学旅行のごはん 黒木さんのおかげでつらい思い出になったもんね」と実に辛辣な言葉を返します。
……ですが、この時の田村さんの表情は相変わらず表情筋が10gぐらいしかないせいかわかりにくいのですが、微笑んでいるように見えます。
私としてはこれは田村さんなりの冗談であり、他意なく「吉田さんがこの場に居ればよかったのにな」と考えているのではないかと思います。

 

 

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ここで吉田さんの進路の話題に話が移ります。
相変わらずヤンキーに対しては黒木の血が騒ぐのか「ヤクザ?出し子?」などと一緒に遊園地を回った友人に言うものとは到底思えない強烈な進路が飛び交います。そんなに吉田さんにぶん殴られたいのでしょうか。
(※出し子……振り込め詐欺でATMから金を引き出す役)
それらの強烈なワードを「まだ聞いてない」と完全にスルーする田村さん、流石としか言いようがありません。

 

 

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アッ……アッ  かわいい田村さんだ

 


ここ最近の田村さん(特に「ゆりドン」で有名な喪124〜執拗なマウントを取った学食の喪134)は情緒不安定な面というか、割を食うような立ち回りが正直目立っていましたが、喪136(仮面をかぶる)からは二年生終わり頃のような儚げな雰囲気というか、田村さんの抱える不安だったり弱さだったり……攻撃的でないそれらがまた見られるようになりました。
そして今回のこの田村さんはその真骨頂だと思います。
「怖くて聞けない」んですよね。聞こうが聞くまいが吉田さんの進路は変わりませんが、「自分の中で会えなくなる事実が確かになってしまう」ことを恐れているが故に聞けない。
喪124〜喪134までは不安からか四人で居ることに固執して外部に対して攻撃的な一面が現れていましたが、今回は焼肉回の時のように内側に不安を閉じ込めてしまっています

 

 

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そしてこの頃から田村さんに根付いていた考えは「環境が離れてしまうと疎遠になってしまう」ということ。
吉田さんの「……別にクラス替わっても会おうとすりゃ会えんだろ」という言葉に対して「吉田さんも黒木さんもわざわざ会いに来るタイプじゃないでしょ」と返答していた田村さん。
田村さんのこの根っこの思考は当時から変わってはおらず、取り除かれることのない不安とこの数ヶ月ずっと戦い続けてきたことが伺い知れます。

 

しかし、そのずっと抱え込んできた田村さんの不安に対して「大丈夫じゃない」と簡潔に返答するもこっち。
続けて「ヤンキーは地元大好きだから」「就職して遠く行っても なんだかんだ戻ってくるじゃん」とこれまたヤンキーの偏見(確かに分かるけど)による理論を展開しつつ、

 

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吉田さんのよく居そうなスポットを挙げます。パチンコはゲーセンで打っている描写があるので分かりますが、加えてドンキを挙げるのがやはりもこっちらしいところです。
……ですが、難しく考えすぎたり思い悩んだりする田村さんには、そんなもこっちの気楽な回答がスッと染み込んで、深刻になりすぎずに済むのでしょうか。
「ていうか普通に聞けば?」「ヤンキー母校に帰るっていうし」などと宣うもこっちに対し、「そうだね 後で聞いてみる」と背中を押される田村さん。さらっと書いてありますが、ここで素直に田村さんが聞いてみる気になったのは、本当に凄いことだと思います。
ひょっとしたら、これまでのもこっちの肩の力を抜くような気楽な回答が、今の田村さんにとっては全てがベストな回答だったのかも知れません。

 

 

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そして食後のデザートとドリンクも食べ終えた二人。もう大学は十分見終えたのか、この後の予定に話が移ります。
一度は断った加藤さんと出かける服選び。今日の午前中を通じて田村さんの中に大きな心境の変化があったのでしょう……暫く思案するように沈黙を挟んでから「今度は私が付き合うよ」と口にします。ネモが断ったからというよりは、私は純粋に恩返しのつもりなのだろうな、と思いました。田村さんとしては、やっぱり加藤さんとのデー……オープンキャンプスの為に服を選ぶのは嫌でしょうからね。その嫌という感情よりも、恩を返したいという気持ちのほうが強くなったという方が素敵ですし、そうあってほしいなと思います。

 

 

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そして二人が訪れたのはほっともっ……H&M。値札を見て「むらむら(し●むら)と変わらん」と驚愕するもこっち。
どうやらこの店を選んだのは「高い店は店員が来て嫌」という田村さんの計らい……というより、田村さん自身もそう思っているがゆえの選択でしょう。
続けて「どんなのがいいとかあるの?」という田村さんの問いに対して「大学生っぽいモテる服」ともこっちは返しますが、「……モテたいの?」と問う田村さんのこの三点リーダーにはどんな思いが含まれているのか気になります。

 

 

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どうやらもこっちはモテる事に固執している訳ではなく、ただ「青学を加藤さんと歩く」という高いハードルを乗り越えたいからこそ「女子大生っぽいモテ服」を選びたいだけのようです。
1〜2年生の時のモテようとして空回りしまくっていたもこっちを思い返すと、今回のモテ服を選ぶ理由がなんだか感慨深く思えたりもしますね。
それを受けて長い沈黙を挟み、マネキンが着ているのをそのまま買えばいいと勧める田村さんでしたが、変なプライドが邪魔して(店員に負けた気になる)「出来れば自分で選びたい」と服を探すもこっち。服選ぶのに慣れてないんだから止しゃいいのにはと思いますが、この気持ちも分からなくないです。実際に「そのまま選ぶのはなぁ」と私も当時敬遠していた思いがあります。
……ひょっとしたら「自分で選ぶ」というのは、この後のセクハラのためのただの口実かもしれませんが。


そしてもこっちは「肩がだいぶ出ている服」「黒木さんには似合わないんじゃない?」(田村さん談)を選び、その言葉を待っていたと言わんばかりに「じゃあ着てみて」とおねだりします。
「他の人が着てるの見れば客観視出来るでしょ」「付き合ってくれるんでしょ」と強く推すもこっち……田村さん相手にここまでイケイケになっているもこっちは初めてかもしれません。まさかのもこゆりもあるのか……?
そして長い沈黙を挟み、根負けした田村さんは……。

 

 

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エッッッッッ

 

 

 

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オイオイオイオイオイ

 

 

 

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セクシー田村さんが見れただけでもマジで言葉が出てこないのに、その後の照れ顔を含めたコンボってどういう事なんですか谷川ニコ先生……????? この2コマの間にどれだけ希少性のある田村さんを詰め込んでいるのでしょうか。恐ろしいお方ですよホンマに……。

 

 

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そして見事に服を着せることに成功したもこっちは中学時代の地味ゆうちゃんにセクハラしていた頃の感覚を思い出します。
相変わらずゆうちゃんをビッチ、着てくれている田村さんを「地味な奴に似合わない格好」などとほざいているのはもう置いておくとして、久々のおっさんムーブを仕掛けるもこっち。今日一番テンションが高いのは間違い無さそうです。
そしてニヤニヤ笑いをしながら「もっとドスケベ服を着させて羞恥に染めよう」「最近みんなの目があってゲス行為が出来なかったからな」と、いともたやすく行われるえげつない行為を仕掛けようとします。そう……「みんなの目」を気にするようになったんですよね、もこっち。
そして「地味な奴」に腹部まで露出する大胆なデザインの服を持ち出すのですが……。

 

 

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これこそ田村さんの魅力の一つ

 

はっきり「NO」の言える田村さんの前にあっさり敗北しました。押しにとても弱いゆうちゃんとはタイプが違うので当然ですよね……。
そしてしつこく迫ると肘打ちを喰らってしまいそうなことを「狂気」と評しています。どう考えてもセクハラするほうが悪いのですが友達相手にその表現で良いのか。
結局もこっちが店員に負けた気分になるというマネキンコーディネートで済ませることに。
……でも肩出し田村さんが見れたから良いよね!! もこっちも十分満足でしょう。

 

 

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……そして帰り道。夕暮れ空を眺めながら、もしも千葉西大学に通うことになったら田村さんと一緒に心地よい沈黙の中、電車に揺られて帰ることもあるのだろうと思いを馳せます。
思えば、もこっちが高校生活に前向きになっていることを少しずつ自覚し始めたのは喪109の「モテないし雪の日の学校」からでしょうか(「行かなきゃ良かったとは思わない」)。
それから喪115「モテないし二年目の卒業式(前編)」では「高校生活もそんなに悪くないのかも」と思うまでになっています。
そして今回は、「こいつや他の人と同じ大学行って高校生活の延長みたいな大学生活送るのもいいかも」と、現状の環境が続くことを肯定的に捉えています。この捉え方はつまるところ、

 

 

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この高校生活が終わってほしくない=別離を恐れる思考に繋がります。つまりこのもこっちも抱いている思いがとっても強くなり、悲観的になってしまったパターンが田村さんなのです。(もこっちが田村さんとは対照的に別離に楽観的なのは今回の最後のコマの台詞にも現れています)

 

 

そんな事を考えている間に、いつの間にか最寄り駅。
田村さんの「黒木さん もう着くよ」の一言で気づいたということは、もこっちもそれだけ真剣に進路と卒業による別れについて考え始めたということです。
それはもちろん周りの皆と、田村さんとの関係についてもです。
……つまりは、これまでの思考の流れが心境の変化を生んだのでしょう。

 

 

 

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──遂に、名前を呼ぶときが訪れます。

 

 

 

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驚いて目を見開く田村さん。読者もびっくり
「ゆりちゃ…」と呼ばれて目を丸くして──恐らくはその事実を認識して表情が変わる前に、電車は発進してしまいます。
この演出がまた憎いところです。もこっちは扉が閉まる寸前、つまりは言葉が伝わるであろうギリギリまでの時間まで呼ぶかどうか迷ったに違いありません。
だからこそ、もこっちがそう一方的に言う形になり、田村さんは反応を伝えることのできぬままじまいになってしまう訳ですが、それが読者の想像を掻き立ててくれます。

 

 

 

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そして終いには、これまで散々田村さんが恐れてきた「別離による関係の崩壊」を呆気なく否定する「学校がなくても消える関係じゃない」のモノローグ。
格好いいじゃないですか。
今回だけでも不安に苛まれそうになった田村さんを何度救ったことでしょう。
これぞ、主人公の役割なのではないでしょうか。


そして最後には私が「いつになるのか、まだ取っておくのか」と思っていた「名前呼び」をまさかここで持ってくるとは……。読み返してみれば「なるほど」となりましたが、初読時は完全に不意打ちでした。
今回の二人きりのデー大学見学が、もこっちに心境の変化を起こし、そして最後のページに繋がるという流れ。実に良いものでした。
それにしても、電車の中の田村さんはどのようになっているのでしょうか。腰が抜けて立ち上がれない……なんて風になっていたら実に可愛らしいですし、駅のホームでへたり込んでくれても可愛いと思います。単行本後日談ーっ! はやくきてくれーっ!!

 


今回のエピソードは田村さんの可愛い部分が凝縮された回でしたし、もこっちの良い面も沢山見られるしで、総評としては最高でした。ページ数も多かったですし、谷川ニコ先生の気合を感じるエピソードでしたね。
しかもこれがGW編一日目ってんだからたまりません。まだネモと加藤さんが控えてるって何が起きるんだよ……(震え)

 

 

 

 

さて、更新はいつもの二週間後です……っ!座して待ちましょう!