場末の。

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ワタモテレビュー喪144「モテないし名前を呼び合う」

10月18日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪144「モテないし名前を呼び合う」が公開されました!

 

 

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今回のエピソードは「名前を呼び合う」とのことで、既にタイトルから勝利が約束されているかのようですが、予想を裏切らないどころか予想を遥かに上回る濃厚なエピソードでした。

 

今のこのタイミングで「名前を呼ぶこと」が大きな話のテーマになり得るキャラクターといえばもう田村さんしか居ません。
喪138の帰りの電車において「ゆりちゃ…」ととんでもない爆弾を車両に投げ込んでいったもこっち、二人が改めて学校で顔を合わせた時にどんな事になるのか想像を膨らませた読者の方も多いのではないかと思いますが、その答えがこのエピソードで紐解かれることになります。

 

 

 

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今回のプレビュー画像はネモ、田村さん、もこっちです!
……ネモの表情、一体どんな罠を仕掛けられたというのでしょうか?

 

 

 

 

 

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GW開けの朝。
長いようで短かった休暇も終わり、改札を通る田村さん。
そこで顔を合わせたのは、二人きりの邂逅はネズミー以来となるうっちーとでした。
そこで外界との拒絶の象徴であるところのイヤホンを外し、「うん おはよ…」と会話に応じます。

 

 

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ネズミーにおいて、真子を見送る選択を取った田村さんに対し「いいの?」と問いかけるうっちーはあまりにも印象的でした。こういったやり取りの積み重ねもあり、田村さんは少しずつうっちーに対しても心の扉を開きつつあるのかもしれません。

 

 

 

 

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「GWをどう過ごしていたか」という何気ない話題の最中、喪138での別れ間際の「ゆりちゃ…」を受け、「とも…」と名前で呼ぼうとする田村さんですが、踏ん切りがつかない様子。
が、そんな嫉妬不可避なキモイキモイイベントがあったことを知らないうっちー、コンビニから黒木が出てきたというサプライズイベントに釘付け。


そして蜜に群がる蜂のごとく一瞬で距離を詰めに行き、「空がきれいだね」と唐突にこの世の美しさを謳いだします。流石「蠱惑」という単語がすぐに出てくるJKことうっちー、夏目漱石に負けず劣らずの表現力(月が綺麗ですね)です。

 

 

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一方の田村さん、挨拶こそは済ませますが「とも……」と、本人を前にしてもやはりスムーズに名前が出てこず。田村さん、なんて可愛らしいのでしょうか。一方、肝心なところでにぶちんなラブコメ主人公体質のもこっち、田村さんが心中葛藤していることなど露知らず。もどかしい思いを抱えたまま学校へと着いてしまいます。

 

 

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可愛すぎる

 

内容がどぎついのは勿論あるのでしょうが、相変わらず紙耐久力のネモ。顔面が熟したりんごみたいになりながらも律儀にエロゲをプレイするのは生半可ではない根性を感じますが、「大したことなかったね」はどの口が言っているのか気になるところです。

 

 

そんな「大したことなかった」という言葉を真に受けたのか、「死ぬアニメはダメなのにエロゲはOKってドスケベなの?」と言葉責めを敢行し始めるもこっち。ここが何処なのか二人には冷静に思い出して欲しいです。
一方のネモ、あんなゲームをやっていたクロこそ変態だろうとカウンターを放ちますが、なんと「やるわけないじゃん男向けのドエロゲーだし」などと真顔で言い放つもこっち。
店頭で内容のドギツさにたじろぐネモに対し、「なんだこいつ、口ばかりで大した事ねーな」と言わんばかりの視線を送っていたもこっち、「まさか本気でやるとは思わなかった」と言い放ちます。目の前でパッケージ買ってただろ

 

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そんな鬼畜主人公のもこっちに対して遂にネモの瞳も往年の暗黒を取り戻します。
そしてくろぐろとした瞳を向けながらプレビュー画像のシーン、「そういう罠を仕掛けてくるんだー ふーん」と静かな怒りを隠しきれないネモ。あのもこっちの視線がなければパッケージを購入することもなく、エロゲもプレーすることも無かったのですから当然と言えるでしょう。
ただ、もこっちに対しての普段の絡み方というか意識が完全に裏目に出てしまい、ネモが勝手に独り相撲をしてしまったという表現が正しいのかもしれません。
今後ももこっちに踊らされてネモが恥ずかしい思いをするシーンが増えそうな予感する一幕です。いや増えないわけがない。増えてくださいお願いします。

 

 

……と、二人がそんな朝からある意味アチアチな会話を繰り広げているので間に入る余地がない田村さん。
まだ朝礼前、一日は長いのです。「まあいいか……あせらなくても」と自分に言い聞かせる田村さんですが、「焦り」は「期待」の裏付け……早く「ゆり」「智子」と呼び合う関係になりたくてしょうがないようです。何度でも言うが可愛すぎる……。

 

 

 

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加藤さんがもこっちを見守る光景ももはやお馴染みな気がします

 

 

そして今度は別のタイミングで、ジャンプを読み耽るもこっちに声をかけようとする田村さんでしたが、それをタイミング悪く遮ってしまったのは聖人清田くん
清田くんがもこっちに何の用があるのかと思いきや、どうやら用件は席替えのくじ。田村さん、どうもツイていませんね……。
……何気ないこの一コマで印象的なのは、返事をしたもこっちが目を見開きながら「え? あっうん…」と返事をするのですが、吹き出しもフォントも震えていないことです。清田くんとはまだ会話慣れしていないだろうに、リア充との会話の場数を踏んだことが大きな経験になっているのは間違いないですね。

 

 

 

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なぜか荻野先生に一学期の委員長にされたと語る清田くんでしたが、清田くん以上に委員長が似合う存在も中々居ないので、荻野先生も生徒の見るべきところは見ているのでしょう。加藤さんも書くように言われますが、「黒木さんの隣でいいから名前書いといて」と微笑む加藤さん。二人の距離も喪140のオープンキャンパスで更に縮んだ気がします。
一方の田村さん、話しかけるタイミングを失いイアホンを耳に……しばしの間自分の世界に閉じこもってしまいます。(他の人と仲良くしてる光景をあまり見たくも聞いたくもない……という象徴な行為なのかもしれませんが、これは深読みな気がしますね)

 

 

 

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そしてくじ引きの結果が明かされますが、なんと名前を書く場所だけでなく席まで隣を勝ち取る加藤さん。やはり何か持っているとしか思えないですね。(というか加藤さん、席の間隔がもこっちと近すぎる気が……。)

 

 

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一方の田村さん、ライバル的存在のネモが隣、前の席は天敵の南さん変態の小宮山、謎の二木さんとすんごい席になってしまいます。南さん、周りに知り合いが居ない&リア充オーラがしないのが相当堪えているのか、日光の届かないところに放置された花のごとく超絶萎れています。

 

 

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遠くに行ってしまったもこっちを目で追いかける田村さん。まるで甘酸っぱい恋愛ドラマのワンシーンのようですが、名前呼びをお預けされたこの現状、もこっちの事をつい目で追いかけてしまうのは仕方がないことでしょう。

 

 

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そしてネモにナチュラルに煽られる田村さん。決して表情には出しませんがネモの言う通り(離れちゃって悲しい)でしょうし、トントンと紙束を机に当てて纏める何気ない所作も、図星を突かれてほんのちょっとイラっとしている現れなのかもしれません。

 

 

 

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一方のもこっちも、加藤さん以外と真子以外はあまり会話を交わさないメンバーが周りに固まってしまいました。
そう……一年生の時のメンバーである岡さん、和田くん、清田くんの三人です。
もこっちの一年生時はアニメでガッツリ放映されたので知名度も高いかと思いますが、THE・暗黒時代と形容するに相応しいぼっちっぷりでした。
「あの時は地獄だった」という表現に嘘偽りはありませんが、「居心地はそこまでよくないが耐えられる」というメンタル面の成長を見せてくれます。
すると清田くんがなにか会話の種になるかと、もこっちがジャンプを読んでいた事に言及し、同じくジャンプ読者の和田くんに話題を振ります。

 

 

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ぐいと前のめりになりながら距離を近づけて話す和田くん。修学旅行以来女の子とはよく話してきましたが、智貴以外の男の子と話す機会はそんなになかった為に男耐性が上がっている訳もなく、もこっちもタジタジの様子です。
……一方また意気込んで話しかけようとした田村さん、またしても間が悪かったようです。もこっちの人気が高まりつつある今、まるで新作ゲームハードのごとく会話も予約が必要な状況なのでしょうか。

 

 

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しかも真子まで南さんに取られてしまう始末。これは今日の田村さんの運が悪いような気もしてきましたね……。
そして南さん、やはり先程までのテンションの低さは周りに知り合いが居ないことと、交友関係を作る意義の薄い陰キャだったからのようです。
……こみさんはともかく二木さんは陰キャと定義して良いのでしょうか。少なくとも二木さんの人望は南さんよりあることは確実なのですが。

 

 

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喪128では二木さんを中心としたゲーマーグループが存在する描写がある。

 

 

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そして田村さんが視線を戻すとうっちーが得意技である瞬間移動をキメていました。
背景芸人を卒業して今や自分の恋心を自覚して動くうっちー、実にアクティブです。
自分がよく読んでいないジャンプの話題にもワンピースのみの知識で戦おうとしますが、和田くんの表情が呆然としている気がするのは気の所為でしょうか(和田くんの瞳はこれが通常形ですが)。

 

 

 

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喪117で記念すべき初の瞬間移動を決めるシーン。岡田さんも呆然。

 

 

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そして昼休み。真子ともこっちと田村さんの三人という、名前を呼ぶには絶好の機会が訪れました。人前とはいえ、気心の知れた真子なら聞かれても抵抗はそれほどないでしょう。
……と思いきや、そこに彗星の如く現れる三人組。ハードルはどうやら中々下がってくれないようです。

 


そして会話の主導権はネモが握ってしまい、先程和田くんと何を話していたかの話題に富んでしまいます。
(そういや男と5分以上話したの初めてだな…… 今日だけでここ5年ぐらいの(弟を除いた)男との総会話時間軽く越えたな)という名誉俺らなモノローグを挟み込むもこっち。
勿論もこっち自身の成長もあるのでしょうが、どもりながらも和田くんとの会話が成立したのは「自分にショタ属性がないから」と分析しつつ、(やはりショタはエロいお姉さんと組み合わせるべきなのか?)と加藤さんを見つめ、朝っぱらからエロゲートークかましたりおねショタの連想をしたりするなど、今日のもこっちの頭の中は常時ピンク色のようです。

 

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そして加藤さんをそんな風に見つめていたなんて事は言えるわけもなく、青学の話題で回避するもこっち。
どうやらもこっち的には青学が一番高評価なのか、なんとネモも青学に誘います。これはするっと出た発言なので結構驚きというか……一方的にネモの方から突っかかるだけの関係性にも区切りが付き、ネモは友達であるという認識が出来たのでしょうね。

 

そしてそのタイミングで遂に……

 

 

f:id:ciel_machine:20181022023332j:plainグハッッッヅヅ(変な鳴き声)

 

あー田村さん……田村さん可愛すぎますよちょっと……!!なんてものをぶっこんでくれたんですか谷川ニコ先生……!!
「智子」呼びを恥ずかしながらも、言葉に詰まりながらも言った田村さん!遂に!遂に成し遂げましたよ……!
さりげないのですが、次のコマで「え!? ゆりが黒木さんを名前で……!?」と言わんばかりに目を開いて汗を流す真子も印象的です。
さて、遂に名前で呼んだ田村さんに対しての次のもこっちの応手は……。

 

 

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あーあ……
1アウト満塁でショートゴロ。ゲッツーコースに打ち返してしまうもこっち。まるでこの世の終わりを見るかのような田村さんの表情が素敵です。

 

 

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これには田村さん、スリーアウトチェンジで拗ねてしまいます。
「ゆり」とさえ呼んでいれば青学を一緒に受ける流れになっていたであろうに……。
そして気まずい雰囲気のまま昼食は終わり、そのまま下校時間へ。拗ねてしまった田村さんはそのままもこっちと一緒に帰ることなく昇降口に向かってしまいます。

 

 

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ここで密かに視線を向ける清田くん。なんだかもこっちを見つめるシーンが多いような気が。

……が、そんな二人を見かねて助け舟を出したのは、なんとネモでした。

もこっちの発言が原因で怒ったことを察しながら、「今から追いかければ間に合うから行ってきなよ」と、二人の関係性を保つためにアドバイスを送ります。
はー……やばいですよ、ネモの好感度がもう……元から高いのに大気圏突き抜けそうです。

 

 

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そしてもこっちとのこのやり取りも……はぁー、なんと言いますかもう……もうね……。たまらんですね。
「なあに? クロ」なんて芝居めいた言い回しを好むネモですから、もこっちのこの指摘も案外的外れという訳でもなさそうなんですよね。もこっちもそういうネモの部分を理解し始めているということなのでしょうか。

 

そしてもこっちも根っからのオタクですから、そういうノリは「青春っぽくてテンション上がる」と肯定的に受け入れ、階段を駆け下りるもこっち。以前のもこっちの交友関係では発生し得ないイベントですからね。

これで息切れしながらなら完璧だなー……と思いながら、普通に下駄箱に居る田村さんとあっさり再会するもこっち。そして……

 

 

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遂に。
「ゆりちゃん」とはっきりと呼ぶシーンがここにっ……!
長いようで短かった名前騒動、ここで決着でしょうかね。田村さんの驚いた表情も可愛いです。

 

 

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そしてもこっちは、千葉西から別の大学にしたことを田村さんは怒っているのだと勘違いしてしまいます。
喪138で田村さんはあくまで「四人と同じ大学に行きたい」のが願望であり、千葉西に行くことには固執していないことが示されているのですが……やはりこれもラブコメ主人公特有の属性(鈍感)ということなのでしょうか。
……とはいえ、我々読者は俯瞰的な目線から見ているために分かって当然のことなのですが、田村さんがそこまで「お互いの呼び方」に固執していた事をもこっちは知らないわけです。ですから、目標校を変えたことを怒っているのだと思っても仕方ないのかもしれません。

 

そして「名前で呼んだのに名字で返した」ことに怒っているなんて言いたくないと、乙女な一面を覗かせる田村さん。
……でも、ここはアレですよ。沢山の女の子を蠱惑する主人公なんですから、田村さんの心もきっと読み取ってくれる筈です。ですよね、もこっち!

 

 

 

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は?

 

「ハァハァ……パンツ何色?」電話で聞いてくる変態おじさんを連想してしまいそうになる唐突な質問ですが、

 

 

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……なるほど。女の子が不機嫌な時ってそういう時なんでしょ、というもこっちらしい発想というか。申し訳程度の「くすり屋寄る?」という気遣いらしき言葉が笑いを誘います。
デリカシー皆無ないつも通りの発言を受け、当然のごとく鉄槌をかます田村さん。
ですが……。

 

 

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「いつもどおりのバカ」なもこっちが、今の田村さんには丁度よい距離感で……。自然な笑顔を零す田村さん。
……こんなに自然に笑う田村さん、いつぶりでしょうかね。変に畏まられるよりは、もこっちのこの対応が実はベストコミュニケーションだったのかもしれません。

 

 

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そして「ネモ」「クロ」呼びの方が恥ずかしいだろと触れちゃいけない部分に触れながら今回のエピソードは終幕を迎えます。そうそう、普通に名前で呼び合う関係の方が恥ずかしくないですよ。
……でも、ストレートに「智子」と呼ばれるのは相当レアな筈なので、それがもこっちにとっては恥ずかしさを感じる部分なのかもしれません。「もこっち」とゆうちゃんに呼ばれるぶん、あだ名で呼ばれることには慣れているでしょうから、そこで感覚が違っているのかもしれませんね。田村さんは「ゆり」と名前で呼ばれていることに慣れているわけですから、親友からの呼ばれ方の相違がこの最後の会話の感覚のズレを生んでいるということなのでしょうね。

 

 

……いやはや……これで名前呼びの問題は完全に決着し、不安要素が取り除かれたというか。田村さんともこっちの仲は更に深まりましたし、田村さんが不安定な面を見せることも今後は減りそうですね。
しかももこっちが青学を目指すことが明確になったり、ネモが助け舟を出すような一面を見せるなど、あまりにももう、詰め込みすぎだろ最高でしょと言えるような今回のエピソードだったのですが、なんと次の更新は「特別編」なんだそうで。一体何が待ち構えているのでしょうか。もうワクワクが止まりませんよ……!!